No Gadget, No Life

ゲームやガジェットの雑記

RG ARC-S これは良いぞ!

今回は、RG ARC-Sを購入し暫く使って見た感想を記事にしてみた。

待っていた天板6ボタンのエミュ機:

RG ARCの特徴と言えば、見ての通りSEGAサターンのコントローラーを模した天板6ボタンのボタン配列だろう。

携帯エミュ機において、天板6ボタンというは実は汎用性が高く最適なボタン配列なんじゃないか?!と以前から僕は思っている。

どういうことかと言うと、エミュ機では複数のゲーム機を動かすことになり天板4ボタンのスタンダードなボタン配列以外のゲーム機も動作対象になる。

具体的には、メガドライブ・サターン・N64など。

左からメガドライブ、サターン、N64のコントローラー

これらのゲーム機のボタンを天板4ボタンのゲームパッドに割り当てする場合、悩ましい事が度々起きる。ゲームタイトル毎に配列を考えて割りてるのは面倒くさいし、実機で遊びなれたタイトルは天板4ボタンのゲームパッドでは操作に違和感が出る。実機同様のボタン配列の天板6ボタンならボタン割当は統一できるし、操作の違和感も少ない。

天板6ボタンなら天板4ボタンのスタンダードな配列のゲーム機に似た操作感のボタン割当も可能だ。

さらに、天板に6個もボタンがいらないというゲームでも、アクセスしやすい場所にボタンが多くあれば、エミュの機能ボタンなどを割り当てて便利に使う事も出来る。

そんなわけで天板6ボタンのエミュ機が欲しいな~と以前から思っていたのだが、縦型で操作性が悪そうだったり、よく知らないメーカーのモノだったりと購入には至らなかったのだが、RG ARCは横型で握りも良さそうだしAnbernicならある程度以上の品質も期待できるだろうという事で購入に至った。

ただし、矛盾するようだが、RG ARCでは上記で書いた天板6ボタンの汎用性はそれほど生かされていないと感じる。一方で別の良さもあると感じた。

エミュ機としての性能は低い:

RG ARCを見るといかにもSEGAサターンを遊びたくなる形状をしているわけだが、搭載されているSoCはRK3566と、サターンを遊ぶには非力な機体である。

詳細な機体性能は公式サイト参照。

RK3566はAnbernicの製品で言うとRG353シリーズにも搭載されているSoCで、PS1位までは問題なく動かせるが、それ以上となるとタイトルによっては動くという程度の性能だ。つまり、RG ARCではサターンのゲームは快適に動かないタイトルも多い。

実際いくつかSEGAサターンのゲームを動作させたところ

  • Darius II : 60フレーム安定
  • DAYTONA USA : 50フレーム前後
  • ガーディアンヒーローズ: 60フレーム安定
  • Nights : 50フレーム前後
  • スペースハリアー : 55フレーム前後
  • Virta Fighter Remix :40フレーム前後

とザクっとこんな感じだった。

2D系のゲームはわりと安定して動かせるが、処理の重いゲーム、特に3D系のゲームは性能不足になってしまう。

じゃあ、天板6ボタンを活かせそうなN64ではどうかと言うと、SoC性能的にはそこそこ動くだろうが、RG ARCにはアナログスティックが付いていないので、N64のタイトルはそもそも遊べない(or遊びにくい)となってしまう。

その為、僕の考えるエミュ機における天板6ボタンの良さは性能の低さと割り切ったボタン配列のRG ARCではあまり生かされていない様にも感じる。

だが、RG ARCの良さはそこではない。

操作性がサイコー:

天板6ボタンの良さは低性能なことにより、あまり生かされてないと書いたが、メガドライブのタイトルを遊ぶと少し認識が変わる。

僕はSEGA派であった時期があり、メガドライブ→32X→メガCD→セガサターンとSEGAのゲーム機を中心に遊んでいた時代がある。特にメガドライブ、32Xがお気に入りだった。

メガドライブではABCとボタンが3つ横並びになっているゲームパッドになっており、この大きめのボタンが3つ横に並んでいる状態に慣れてしまったゲームタイトルもある。

メガドライブのゲームパッド

その為、それらのタイトルをエミュ機で遊ぶ場合は、いつも違和感を感じていたのだが、RG ARCならその違和感を感じず心地よく遊べる。

さらに、RG ARCでは十字キーもSEGAのゲームパッドを模した構造になっており、今までのAnbernicのエミュ機とは違う構造になっている。その為か、中華エミュ機によくある斜め方向の誤入力がまったく発生しない入力精度の高い十字キーになっている。

アナログスティックを排して余裕をもって操作しやすい位置に十字キーがあるのも影響してる気がする。

これは狙ってやったというより、結果的に操作性の向上につながっただけだとは思ったりするのだが、操作性が良いのは事実だ。結果、メガドライブのゲームだけでなく、同時期のゲーム機(スーファミやPCエンジンなど)も快適に遊べると感じた。

今までは、PS1位までのゲームを遊ぶ時はRG353PSをメインに使っていたのだが、RG ARCの天板6ボタンなら、天板4ボタンの代わりにもなるので、最近はPS1位までのゲームを遊ぶ時はRG ARC-Sが僕のメイン機になっている。

RG353PS

やっぱり操作性が良いって重要よねw

RG ARC-Sで良い、イヤSが良い:

RG ARCには、RG ARC-SとRG ARC-Dの2種類が用意されている。SはOSにLinuxを採用したシングルOSの機体。DはLinuxとAndroidの両方を起動できるデュアルOSの機体だ。

RG ARC-Dでは、Android起動用の内部メモリーを搭載しRAM容量を増加、さらにタッチスクリーンにも対応している。その為価格は3,000円程度高い。

ただ、搭載しているSoCは同じRK3566なのでエミュ性能は同じ。というかRK3566搭載機でAndroidを起動して何かメリットがあるのか?と考えると何もない気がする。

つまり、RG ARC-Dは無駄な機能を追加して値段が高いだけのモデルという事になる。

RG ARCはアナログスティックを排したある意味割り切ったデザインとなっており、アナログスティックを必要としないレトロゲームを動かすことに特化していると考えれば、SoCの性能はそれほど高くなくてよい。(サターンが快適に動かないのは残念だが)その代わり値段が安い(セール中だと1万円を切る)のが良い点だと思うとRG ARCを購入するならRG ARC-S一択だろうと思い、僕はRG ARC-Sを購入した。

でも実は、RG ARC-Dを買おうかと悩んでいたw

というのも、RG ARC-Sには機体カラーがクリアのモノしかなく、機体カラー的にはよりメガドライブやサターンっぽいRG ARC-Dが欲しかったからだ。

RG ARC-Dのカラーバリエーション

つまり、3,000円をケチってRG ARC-Sを買ったわけで、RG ARC-Dなんてイラナイと言う僕の意見ははただのヒガミ?なのかもしれない(汗

またAnbernicが提供品送ってくれるようにならんかな~。僕のブログのアクセス数では無理だと思うけどw

入力遅延は小いさめ:

さて、操作性以外にもエミュ機として重要な事項としてもう一つ「入力遅延問題」がある。

操作性が良くても入力遅延があったのでは快適にゲームを遊ぶ事は出来ない!(断言)

という事で簡単な入力遅延チェックをしてみた。

GBA星のカービィのミニゲーム「刹那の見斬り」で入力遅延検証を行う。実機だと大体10フレームで反応できるので、10フレームに近ければ遅延が小さい機体だと言えると思う。

僕の経験上、エミュ機での平均的な遅延は、3~4フレーム程度。これくらいだとゲームによってはそれほど気にならない。5フレームを超えるとプレイ中明らかな遅延を感じる。1~2フレームだとほぼ遅延を感じないと言った感じだ。

で結果はこんな感じ。

1~2フレームの遅延という事で、遅延は小さいほうだ。

アクションやシューティングゲームもわりと違和感なく遊べる。

CFWが無いのは残念:

中華エミュ機と言えば、CFW(Custom FirmWare)の導入はある種、必須通過儀礼となるわけだが、残念ながら主要なCFW(ArkOSJELOSなど)はRG ARCに対応していない。

どうやらAnbernicはCFW開発コミュニティへの情報公開を行っていないらしく、CFWの開発者は、もうAnbernic製品へのCFWは作らない的な雰囲気があるらしい。(シランケド)

CFWの発展が中華エミュ機の発展を支えてきたと言う一面もあると思うので、Anbernicはもっとオープンな姿勢になって、自社開発のOSとコミュニティ開発のOSをうまい事融合していけばいいのにと、ユーザー視点で勝手な事を思ったりする。

僕の知る限りRG ARC用のCFWを作っているのはRetro Arenaくらいかな?まだBeta版らしくDiscordでのみ配信している様だが、僕は試していない。

購入時に搭載されているSFW(Stock FirmWare)は今までのSFWとインターフェースが若干異なるが、そのままでも使える出来だと思うので、まあCFWなしでも良いかなと言う感じではある。

まとめ:

操作性良し、入力遅延小、値段は1万円程度。レトロゲームを遊ぶ機体としては良いんじゃない?!

Powkiddy X55 は格安エミュ機としては悪くない?!

今回の記事はPowkiddy X55について。

Powkiddyらしからぬ出来?!:

Powkiddy X55は大画面のエミュ機好きの僕としては気になる機体だったのだが、Powkiddy製という事で「地雷の可能性」を懸念して購入を見送っていた携帯エミュ機。

なのだが、Aliのセールで1万円以下で購入出来たので思わず買ってしまった。

記事にする気はなかったのだけど、手に取ってみると

「あれ?これPowkiddy製だよな?意外に良くない?」

と思ってしまうくらいのモノだったので、X55を使ってみた感想を記事にしてみることにした。

控えめのスペック:

以下は公式販売サイトのスペック表。

販売サイトのスペック表

SoCは1年位前にAnbernicからリリースされた、RG353系RG503と同じRK3566が搭載されている。Antutu v9だと10万前後のスコアなので性能は低め。

X55の特徴は、16:9の5.5インチ大画面IPSスクリーンを搭載しているという点になると思う。

初期状態でJELOSを搭載:

X55の対応OSはLinux系。Linux系の場合CustomFWの導入が必須になるわけだが、X55には初めからJELOSが搭載されていた。

初期状態でJELOSが搭載されている

しかも購入時点では最新と思われるJELOSが入っており、OTAでのアップデートが可能であった。

Powkiddyはついに自前でOSを用意することを諦めたのだろうか?よくわからないけど、CFW導入の手間が省けてよかったわw

エミュ性能は高くない:

搭載SoCがRK3566なので、PS1・N64位までが動けば良いかなという感じ。

PSPやDCも重くないゲーム・3D処理が無い(少ない)ゲームならそこそこ動く。

ただ、ちょっと気になったのは、同じSoCを積んでいてLinuxベースのOSを積んだRG353PSとN64やPSPのやや動作の重いゲームを比較すると、若干RG353PSの方が動きが良い感じがした。これは何の差だろう?X55の方が解像度が高いからその差かな?!

操作性はまあまあ:

操作性はまあまあと言ったところ。僕のPowkiddyに対する偏見を加味すると「想定外に良い」と感じてしまったw

RGB10 Max2の様に背面部分にふくらみがありグリップしやすい形状・LRボタンが縦に並んだ配列は僕の好みだ。

キー配列で唯一気になったのは、左アナログスティックの配置。アナログスティックを多用するゲームを動かすのは厳しいエミュ性能である事を考えると、十字キーが上側で良かったのでは?と感じる。

各キーの操作性についてもまあまあ良くて、格安エミュ機でよくある「十字キーの斜め方向入りやすすぎ問題」はほぼ気にならないレベルであった。

十字キーでの昇竜コマンド入力は問題なし。シューティングゲームの誤操作もほぼ感じなかった。

ABXYボタンは若干小さくストロークが深めだが、押しにくい感じではない。ただ、僕の個体はBボタンの反応が若干悪かった。やっぱこの辺の詰めが甘い感はPowkiddyだよな~w

大画面は正義?!:

X55の特徴は大画面だと思うので、他エミュ機とちょっと比較してみる。

まずは、画面が4:3、3.5インチのRG353PSとの比較。

上:X55、下:RG353PS

二回り位大きく表示される。

次は4:3、4インチのRG405Mとの比較。

上:X55、下:RG405M

RG405Mはコンパクトな端末サイズながら4:3のゲームは比較的大きく表示される機体だが、それよりもX55の方が大きく表示される。

まあ、機体サイズもでかいし当たり前ではあるが、1万円以下で買える端末でこの画面サイズはレア機体なのではないかと思ったりする。

ついでにPSPのゲームの画面サイズも比較。

上:X55、下:RG405M

画面いっぱいに大きく表示されて良い感じなのだが、X55の性能では遊べるPSPのゲームは限られてくるので、PSPのゲームを遊ぶのにお勧めの機体とはいいがたい。

機体性能を考えるとこの画面を一番生かせるのはGBAのゲームなのかな?と思ったりする。

そう考えると十字キーは残念な配置だよな~。

入力遅延は小さい:

最後に入力遅延検証をやっておこう。

GBA星のカービィのミニゲーム「刹那の見斬り」でどれくらい入力遅延があるのか確認しておく。

実機だと10フレーム位で反応できるので、大体2~3フレームの入力遅延と言ったところだろうか。

以前僕が行った検証でRG503+JELOSで「先行入力2フレームあり」で試した時は12フレームだったので同じ位だなと思ったのだが、上記の画像は「先行入力なし」の結果。

RG503+JELOSで「先行入力なし」だと13フレーム位だったので、X55の方がちょっとだけ遅延が小さいのかな?

まあ、手動検証なので誤差の範囲かも。

いずれにしてもLinux機としては平均的もしは若干入力遅延が少ないという感じだと思う。

あら、良いじゃないw

まとめ:

Powkiddy製ってあまり良い印象無いんだけどたまーにツボにはまる機体があったりするのよね。Powkiddy X55は久々の当たりという印象でした。

格安Linux機で大画面の機体が欲しいって人にはなかなか良い機体なのではないかと思う。

そうは言っても、「中華エミュ機」なので過度な期待は禁物ですがw

【雑記】中華エミュ機に感じる事

今回は、中華エミュ機に対して何となく感じていることをコラム的な感じで記事にしてみた。あくまで個人の考えなので、厳しいツッコミはご容赦くださいw

中華エミュ機との出会い:

エミュレーターには昔から興味があり、昔はPCで使うのがメインだったのだが、ある時期からエミュ機を携帯出来ないものかと、NVIDIA SHIELDArchos GamePadを購入しこれらにエミュレーターを入れて遊んでいた。

左:NVIDIA SHIELD、右:Archos GamePad

その頃から中華エミュ機は存在していたようだが、「安かろう、悪かろう」の印象が強く、手を出せずにいた。

僕が中華エミュ機にハマり始めたのは2019年末頃から。きっかけはRG350の存在をNitroさんのブログで知ったことだった。

RG350

NVIDIA SHIELDやArchos GamePadは50,000円位する機体だが、RG350は10,000円以下。その価格で、そこそこエミュが動いて遊べるなら儲けもんだろう?もし、動作不安定な安いっぽいおもちゃだったとしても、10,000円なら勉強代として受け入れよう。と考えRG350を購入。

RG350を手にした時は感動もんだったw

想定を超える質感の良さと安定動作。僕の中の「中華製品」の印象が変わった瞬間だっと思う。(大袈裟)

それ以降僕はAnbernicのファンになったのと同時に、中華エミュ機沼にドハマりしてしまった。

それでも中華製品だしエミュレーター:

思いがけぬRG350の出来の良さに、以降数多くの中華エミュ機を購入していくことになるのだが、それでも「中華製品」だし「エミュ機」だしという認識は残ったまま。

ここで言う「中華製品」「エミュ機」と言うのは良い意味で表現していない。

「パクリ」「低品質」「動作不安定」などなどの意味合いが含まれている。ただ、「中華製品」「エミュ機」であっても「実用性が高い」と言うのは事実。

多少グレーで難点があっても、これだけ遊べるものがこの価格なら、むしろそれが良いまであるという捉え方に変わった。

また、積極的に他製品の長所を取り込んでいく開発スタイルは、次を期待させる進化があり、しかも進化速度が速い。

なので、多少気に入らない点があってもそれを受け入れて次に期待するというサイクルが出来上がってしまった。

結果中華エミュ機沼から抜けれない現状w

RG353PSのちょうど良さ:

つい先日RG353PSのレビューを書いたのだが、この時にふと思ったことがある。

昨今の携帯エミュ機は「高性能化」に伴い「高額化」が進んでいる。RG350は10,000円以下で買えたのに、円安の影響もあるとは思うが、今や最新機は2~30,000円が当たり前。

この価格帯まで来てしまうと、そう何度も買い替えは厳しく「低品質」「動作不安定」な製品では受け入れがたいという事になってしまう。

エミュ機の品質は向上しているとは思うが20,000円ちょいで、メジャーなゲームメーカーであるニンテンドーの現行機 Switch Liteが買える事を思うと、「中華製品」「エミュ機」に30,000円出すのは抵抗がある。

市場のニーズGameCubeは?PS2は?という声にこたえる形で「高性能化」が進んでいるのだとは思うが、本当に「高性能化」が望まれているのだろうか?

最近ではMiyoo Mini PlusRG35XXのような「低性能」な機体でも人気になっている一面もある。

エミュ機で快適に遊べるようになるには、ハードの性能とエミュレーターの最適化の両方が必要で、僕が思うにPS1やN64が安価な携帯エミュ機で安定動作をし始めたのは、2020年後半から2021年に入った辺りからではないかと思う。

コンシューマーゲーム機リリースの歴史をみると、PS1からPS2へは6年、N64からGameCubeへは5年の時間がかかっていることからも、数年前にやっと携帯エミュ機でPS1やN64が安定動作し始めたばかりなのに、もうGameCubeやPS2を携帯エミュ機に求めるのはまだ早くない?と思ってしまう。少なくとも、あと4~5年待てと。

「中華携帯エミュ機」は「安価」であることも魅力の一つなので「高額化」してしまうと購入の選択肢から外れてしまう可能性もある。

そこでRG353PSだ。

RG353PS

過去の製品を流用する事で品質・使い勝手は維持しつつ、機能を絞る事で低価格化を実現している。

前モデルRG353Pが¥18,799であることを考えると、RG353PSの本体価格¥11,599という価格はかなり安くなったと感じる。円安である事を考慮すればRG350と同価格帯と言って良いだろう。

既存の技術やアイデアを流用し低価格でそこそこ実用性のある機体、これは中華エミュ機の正統進化と言っても良いのでは?

こういった「ちょうど良い機体」を今後も期待したいと感じた。

まあ、既に高額なハイスペック機も持っている僕としては、低価格な機体が出たとして追加購入するかはわかりませんがw

携帯エミュ機の操作性は改善が必要:

もう一つ、僕が気になっている携帯エミュ機の操作性について。

最近ゼルダの伝説TotKの発売に備えて(?)BotWと厄災の黙示録のおさらいプレイをしているのだが、どうもProコンの調子が悪い。アナログスティックが不調をきたしているようだ。

新しい純正Proコンを購入しようと思ったのだが、どこも売り切れ。仕方ないので純正Proコンが買えるようになるまでの急場しのぎとして格安のProコンを購入することにした。

購入したProコン

メーカーも良くわからないAmazonで3,000円以下のProコンだ。

格安ながら背面ボタン、連射機能、マクロ機能、ジャイロにも対応していて普通に使う分には十分だし、純正Proコンより汎用性は高い。

価格なりの品質で安いっぽい感じはするし、ボタンの押し心地もやや硬めだったりカチカチ音の大きいボタンもあったりするが、入力精度は良くゲームを遊ぶのには何の問題も感じない。

このコントローラーを使っていて、なんかシランケド携帯エミュ機のコントローラー部分に腹が立ってきたw

純正品より高機能な部分があるにも関わらず価格は純正品の1/3程度。操作性・入力精度には何の問題もない格安コントローラーが存在している。

一方で、携帯エミュ機のコントローラーはどうか?

一体型故に変えのきかない構造であるにも関わらず、ボタン配置・サイズ・入力精度は落第点の機体ばかり。

AB同時押ししたらボタンが引っ掛かるだとか、意図せず斜め入力される十字キーとか、入力精度の低いアナログスティックとか、本体に対して小さいボタン類だとか・・・

コントローラー・操作系の快適さはゲームを楽しめるかどうかと直結する。これはゲーム機そのものが良いかどうかにかかわる部分だと思っている。

ゲーム機はSoCの性能よりゲーム体験の方が重要だと思うのだ。実際ニンテンドーやValve(SteamDeck)はそれを実証してくれいてるように感じる。

携帯エミュ機も、高性能化だけではなく操作系の品質向上の方にも配慮してくれれば、もっと楽しめるのにな~と思ってしまった。

RG353PS レビュー

今回はRG353PSのレビュー。Anbernic社からのサンプル品でレビューをします。

RG353PSは5/6 19:00からAnbernic公式サイトで販売開始。

販売開始後2日間は1,100円オフの¥11,599で購入可能となっている。

既視感のある機体:

新製品とは言うものの、RG353PSは以前発売されたRG353Pと見た目はほぼ同じでカラーバリエーションが違うくらい。

僕も初めは「何が違うの?」「なんでリリースし直したの?」と思ったが実際手に取ってみると、これはこれでアリだなと感じた。何より安いのが良い。

まずは、RG353PSのスペックを確認しつつ、RG353Pとの違いも確認しよう。

スペック概要:

以下公式サイトのスペック表。

RG353PSは1年位前にリリースされたRG353Pとほぼ同等スペックという事で、最近のエミュ機としてはロースペックな印象。

RG353Pとのスペック的な違いは

  • LinuxのみのシングルOS(RG353PはAndroid/LinuxのデュアルOS)
  • タッチスクリーンなし
  • メモリー1GB(RG353Pは2GB)

これだけ。

要は「Androidは起動できなくなりました。」という事だ。

RG353Pに搭載されているSoC RK3566のAntutuベンチマークスコアは10万程度なのでAndroid機としては性能不足感がある。Androidを捨ててLinuxのみとしたのは良い判断だと思う。僕はRG353Pと同等性能で、AndroidとLinuxの両方を起動できるRG353Vを持っているが、Androidを起動することはほぼなかった。

Android機ではなくなったので、タッチスクリーンがなくなるのは当然として、メモリー容量が2GBから1GBに減ったことは気になる人もいるかもしれない。

ただ、エミュ性能的な差は無いと思われる。RG353Pが2GBのメモリーを搭載していたのはAndroidを起動する為だろう。

エミュレーターを動かすのに必要なメモリー容量はと言うと、

エミュレーター 最低メモリー 推奨メモリー
SFF(Sega Satrun) 256MB 512MB
ePSXe(Playstation)  256MB 512MB
Redream(DreamCast) 512MB
PPSSPP(PSP) 512MB 2GB
Dolphin(Game Cube/Wii) 1GB 2GB

大体こんな感じ。

RK3566のスペックではPSPの重いゲームはそもそも快適には動かないし、GameCubeも無理と考えると1GBのメモリー容量は十分だと言える。

付属品は必要十分:

付属はいつものAnbernic製品という内容になっている。ピッタリサイズのスクリーンプロテクターが付属しているのは好印象。

付属する説明書は中国語と英語。基本的な操作説明はこれを見れば大体わかるかな?!

エミュレーター性能は控えめ:

前述の通り機体性能はあまり高くないので、エミュレーター性能もそれほど高くは無い。

動かせるエミュを上げると、PS1、N64位までは問題なく遊べる。

GameCube・PS2はStockFWではそもそも導入されていない。入っていたとしても快適には動かないだろう。

Dreamcast・SEGA Saturnあたりはゲームによっては動くという感じだが、パワー不足感は否めない。

PSPの場合、それなりに動くゲームも多いが、GOWの様な重いゲームはフレームレートが半分程度しか出ないので、負荷の高いゲームは快適には遊べない。

スクリーンが3.5インチの640X480になっていることからも、古めのレトロゲームを遊ぶのに特化した機体だと思った方が良いだろう。

PS1・N64位までをターゲットにするなら十分な性能と言っても良い。

操作性は悪くない:

エミュ機ではイマイチなことが多い「操作性」だが、結論から言うと悪くない。

最近はRG405Mを良く使っているのだが、RG405Mより少し幅が長く厚みもある、RG353PSの方がホールド感が良いと感じた。

上:RG405M、下:RG353PS

ついでに似た形状のゲームパッド8BitDo SN30 Proとも比較。

上:RG353PS、下:SN30 Pro

SN30 Proより2回り位大きいが、RG353PSの方が握り心地は良かった。最近はSteamDeckの様に大きめのハンドヘルド機を使う機会が多いので、慣れの問題なのかもしれないw

キー配列も良くて、十字キーが上側ってのは当然好みの訳だが、L2R2が縦に並んでいるのも良い。Anbernic製品だとRG353P/PSとWin600位じゃない?この並びは。

L2R2は縦並び!

そして地味に良いのが、アナログスティックが内側寄りの配置になっている事。

エミュ機では、十字キーとABXYボタンに対してほぼ真上・真下に配置されることが多いアナログスティックだが、ちょっと内側斜めに配置してくれるだけで、操作中に他のキーと干渉難く、かつ、操作しやすい位置になる。この小さな差がゲームプレイ時の気持ちよさにもつながってくると感じる。

十字キーの操作性はいまひとつ:

好印象なグリップ感・キー配列で操作性は悪くないと思うわけだが、気になる点もある。それは十字キーの操作性。

Anbernic製品の十字キーは斜め方向が入りやすいという共通の問題を抱えている。この対処として、僕は基盤をちょっと盛って修正するという方法で対処している。

今回も分解して調整する事を想定していたのだが、RG353PSについては手を加えずこのまま使うことにした。

というのも、今までの機体よりだいぶ「まし」だと感じたからだ。恐らく個体差なのだとは思うが、誤爆の頻度が過去の機体と比べると格段に低い。

そりゃ~一般的なゲームパッドと比べたら、酷い入力精度だとは思うが、RG353PSについては、まあこのまま使おうかな~という程度ではあった。

良くは無いけど、悪くは無いと言った印象だ。

入力遅延は小さい:

GBAの星のカービィのミニゲーム「刹那の見斬り」を使って入力遅延の度合いを検証してみた。実機だと10フレーム程度で反応できるので、10フレームに近いほど入力遅延が少ない(実機並み)と言って良いだろう。

結果は11フレーム。RG353PSの入力遅延は小さいと言える。

最近はAndroid機でもそんなに大きな入力遅延は感じなくなってきているが、やっぱりLinux機の方が入力遅延は小さいという事なのかな?!

入力遅延が小さいAndroid機だと12フレーム位なので、ほぼ差は無いと思うのだが、ゲームをしているとLinux機のRG353PSの方が操作が軽く感じたりもする。

また、上記の結果は、製品に付属してるStockFWでの検証結果なのだが、RG353Pでは既にCFWが存在しており、RG353PSでこれが使えそうなので、CFWを導入して入力遅延を検証してみた。

ArkOSでの入力遅延

JELOSでの入力遅延

イヤイヤイヤイヤ。

CFWの方が入力遅延が大きいって!どういう事??

体感では、ArkOS>JELOS>StockFWの順で入力遅延が大きい。

う~~~ん、CFWを入れて使う気満々だったんだけど、暫くはStockFWで遊ぼうかな・・・

CFWはある:

RG353PSはRG353Pとほぼ同じハード構成なので、RG353PのCFWがそのまま使える。

僕が試したCFWは以下の二つ。

このどちらかが安定だと思う。

とはいえ、前述の通りCFWでは何故か入力遅延が大きくなるという謎現象が起きたので、もしかしたら最適化不足なのかもしれない。

StockFWを使ってみた感じそんなに悪くはなさそうなので、様子を見ながら使い分けしようと思っている。

まとめ:

質感も良く操作性もまあまあ、価格に対する性能も妥当。

通常価格¥12,699。セール価格で¥11,599と言うのは、コストパフォーマンスの高い機体だと思う。

同等性能の機体の価格(現在のセール価格)を見ると

  • RG503:¥14,799
  • RG353V:¥17,299
  • RG353VS:13,999
  • RG353P:¥18,399
  • RG353PS:¥11,599

と、本機RG353PSが一番安い価格に設定されているが、満足度は同等以上の機体だと感じた。

興味ある人はセール中がねらい目だと思うよ!

NEW ANBERNIC RG353PSjp.anbernic.com

この形状を活かし、モニターに接続しゲームパッドの如く使ってみるのも面白いかもw

Odin Pro VS Odin Lite

1年ほど前にOdin Proを手に入れてから、ずっと気に入って使っているのだが、先日ついOdin Liteをポチってしまった。

という事で、今回はOdin ProとOdin Liteの比較・検証を行ってみる。

なんで今頃Odin Lite?:

比較の前になんでOdin Pro持っているのに、Liteを買ったのかを書きたいw

Odin Proは、僕の手持ちの携帯エミュ機の中ではお気に入りトップ3位に入る機体だ。

お気に入りポイントとしては

  • 6インチ画面比16:9の大画面
  • 操作性の良いボタン類(特に十字キー入力精度が◎)
  • SoCにSD845を搭載し高性能

という感じ。

携帯性より視認性と操作性を重視している僕としては特に「大きな画面」と「操作性の良い十字キー」はかなりの高評価ポイントだ。

Odin Proがあれば他の携帯エミュ機はいらないやと思ったこともあるのだが、Odin Proには1つどうしても気になる点がある。それは「入力遅延」

僕はよくGBAの「刹那の見斬り」で入力遅延度合いを検証するのだが、Odin Proには5~6フレームの入力遅延がある様子。

他Android機(RG505RG405M)での入力遅延は2~3フレーム程度。恐らく2~3フレーム程度の遅延なら、ほぼ感じることは無いとおもうのだが、5~6フレーム(0.08~0.09秒程度)となると、ゲームによっては遅延を感じる事がある。

アクション・シューティングゲームをメインに遊ぶ僕としては、この遅延が気になってしまい、Odin Proで気持ちよく遊べない事もある。

Odin ProはAndroid10が搭載されているのだが、以前Android機の入力遅延度合いを検証した際に、Android10とAndroid11以降とで入力遅延について大きな差があるように感じた。

なので、Odin ProのAndroidのバージョンが上がったら入力遅延が小さくなるのでは?!などと妄想している時に、何となくOdin Liteの仕様を確認してみると、Odin LiteにはAndroid11が搭載されている事を知ってしまった。

Odin Liteなら、Odin Proのお気に入りポイントはそのままに入力遅延が小さい環境で遊べるようになるのでは?そんな考えが頭にこびり付いてしまい、Odin Liteを購入してしまったわけだ。

スペック表で比較:

まずはスペック表上での違いを確認してみよう。スペックの差をみる事で比較・検証ポイントが見えてくるだろう。

  Odin Pro Odin Lite
CPU  SD845  Mediatek D900
GPU  Adreno630  Mali G68 MC4
RAM  8GB LPDDR4X  6GB LPDDR4X
Screen  5.98inch FHD IPS  5.98inch FHD IPS
Audio  1W x 2  1W x 2
Wifi  Wifi 5(a/b/g/n/ac)  Wifi 6(a/b/g/n/ac/ax)
Bluetooth  5.0 5.2
OS  Android10 Android11
Size  224x95x15 224x95x15
Battery  6600mA 6600mA

基本同じ機体に中身をちょこっと変えましたという印象。

大きな違いとしては、

  • 搭載SoCの違い
  • 搭載OSの違い

だろう。

RAM容量も違うのだが僕はエミュ機としてしか使わないので、4GBもあれば十分という事でここは差を感じるのは難しそうだ。

という事は比較のポイントとしては

  • SoC性能の差によるエミュレーション性能差
  • OSの差による入力遅延の差

この辺りが比較のメインになりそう。

ベンチマークスコアの比較:

まずは、SoCの性能差を探るべくAntutuベンチを走らせてみた。

左:Odin Pro、右:Odin Lite

ちょっと想定外の結果に!

ProとLiteと言う名称から、当然Proの方が性能は上だろうと思い込んでいたのだが、どうやらD900を搭載したLiteの方がベンチマークスコアは上になるようだ。

よく見るとCPU性能はLiteの方が上だが、GPU性能はProの方が上。これはエミュによって差が出てきそうな気配だ。

エミュレーション性能に差はでるのか?:

AntutuベンチマークスコアがOdinの半分くらい(約20万)であるRG505で、PSPくらいまでは問題なく動かせるので、この辺りまでは試すまでもなく体感できる差は出ないだろう。

となると、差が出始めるのはGameCube/PS2あたりだろうか?手持ちのゲームをいくつか動かしてみよう。

まずはGameCubeでは重いと思われるゲームF-ZERO GXを動かしてみる。

使ったエミュはDolphin(公式Betaの5.0-18498)で、Video BackendはValkan、解像度は1xでフレームレートを比較してみた。

Odin Proでは、35~45FPSあたりを推移していて場所によってFPSが変わる感じであった。

Odin Liteでは1周目は30~39FPSあたりで推移しており、2週目からは40~45FPSで動いていると言った感じであった。

あと、Odin Liteではちょっと画面がバグっている部分もあった。

多少挙動は違うが、どちらも快適には遊べない状態で平均フレームレートもさほど差を感じないと言った結果だった。

GameCubeでもう一つ。ゼルダの伝説トワイライトプリンセスを動かしてみる。

Odin Proでは、終始30FPSで安定。村に入る時に一瞬FPSが落ちる程度。気になる点としては、ミニマップの表示がバグっていた。ここは設定でなんとかなるのかもしれない。

Odin Liteでも、ほぼ30FPSで安定。村に入った時のFPSの低下はOdin Proより少し大きいかな?程度の差。また、ミニマップの表示がバグっているようなこともなかった。

GameCubeについては、決定的な差は感じられずゲームによっては、どちらも普通に遊べそうという印象であった。

次はPS2で比較してみる。

使ったエミュはAetherSX2(V1.5-4248)。こちらもVulkanで解像度は1xで検証。

まずは僕のお気に入りゲーム地球防衛軍2を動かしてみる。

Odin Proでは、ステージ開始時にFPSが落ちることがあるが、プレイ中はほぼ安定で動いていた。ただ、一部(橋など)の描写がバグっていた。

Odin Liteでは、ステージ開始時にFPSが落ちるのは同じだが、プレイ中も敵の数・場所によってFPSが半分近くまで落ちることがあった。一方で描写がバグっているようなことは無かった。

快適に遊べるのはOdin Proかな?という感じ。

PS2でもう一つ。PS2では重いゲームとされている「ワンダと巨像」も試してみた。

神殿内のFPSを比較すると

Odin Proでは、20FPS前半。Odin Liteでは10FPS前半と差が出た。

どちらもゲームを遊ぶのは厳しい。

 

PS2の3D描写が必要なゲームではOdin Proの方が良いパフォーマンスが出るようだが、快適に遊べるゲームは少ない。

 

今回の検証では、エミュレーション性能について大きな差は無く、タイトル・エミュレータ次第で若干の差が出る程度という事がわかった。

入力遅延に差はなかった:

さて肝心の入力遅延についてだが、残念な結果となった。

Odin LiteでもGBAの「刹那の見斬り」で試してみたのだが結果は以下の通り。

Odin Proでは5~6フレームの遅延。Odin Liteでも同様という結果。

Android11になったら入力遅延は小さくなるのでは?というのは、僕の願望でしかなったようだ。

わざわざOdin Liteを買った意味なくなっちゃったな~(涙)

その他の違い:

入力遅延に差がないとわかった段階でもうやる気はなくなったw

という事で、その他気が付いた違いはサクッとまとめてしまおう。

音が違う:

音には詳しくないので詳しくは説明できないが、Odin Liteのスピーカー音は少しこもって聞こえる。Odin Liteで遊んだ後に、Odin Proで遊ぶとOdin Proは良い音に感じる。

縦画面方向が違う:

画面自動回転を有効にして縦画面にした際、縦に出来る方向がOdin ProとOdin Liteでは異なっている。

左:Lite、右:Pro

縦画面でも遊びたいという場合は、Odin Proの方が向いているかもしれない。

Wifi・Bluetooth規格が違う:

スペック表を見るとわかる通り、無線通信規格はOdin Liteの方が新しい。とはいえ、僕の場合、エミュ機としてしか使わないし、わざわざ中華エミュ機を使って、最新ゲームをストリーミングプレイしたいとも思わないので、気になるポイントではない。

Simカードが入る?:

Odin ProではSDカードスロットになっている部分が、Odin Liteではトレイが付いていて引き出してみると、Simカードが入るようになっていた。ちゃんと設定すれば使えそうではあるが、需要あるのこれ?!

まとめ:

ProもLiteも変わらん!

Odin Proは$287.00。今回僕の買ったOdin Lite(6+128GB)は$229.00。

今買うなら少し安いOdin Liteの方が良いかもしれない。

 

僕は今回Odin Liteを送料込み(DHL)で$278で購入しており、円換算すると約39,000円。

4PXを使えば送料がもう少し安くなるが、僕はDHLを使ったおかげか注文の2日後には手元に届いた。

Odin Proはクラファンで入手しており、その時は今ほど円安ではなかったこともあり確か38,000円位で入手していたと思う。

つまり僕としては値段も性能も見た目もほぼ同じの機体を2つ買っただけという事に・・・

まあ、Odinはお気に入りの機体なので良しとしますか!

RG405M レビュー

今回はRG405Mのレビュー記事。

Anbernic社から受け取ったサンプル品でのレビューとなります。

スペック概要:

まずは基本スペックの確認から。詳細は公式サイトで確認可能。

  • CPU:Unisoc Tiger T618
  • GPU:Mali G52
  • メモリ:4GB LPDDR4X@1866Mhz
  • ディスプレイ:4インチIPSタッチスクリーン、解像度640*480
  • 内部ストレージ容量:128GB eMMC
  • 外部ストレージ:最大2TBまでのMicroSDカードに対応
  • OS:Android12
  • バッテリー容量:4500mAh
  • 無線通信:2.4/5G WIFI 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0
  • シェル:アルミ合金
  • 重量:260g

基本スペックは昨年リリースされたRG505とほぼ同じ。

RG450Mの特徴的な部分としては

  • 4インチで画面比4:3のディスプレイ
  • アルミシェル

の2点だろう。

実機に触ってみてこの2点が特に良いと感じる点だった。僕の様に、この2点が刺さる人には良い機体なのではないかと思う。

エミュ性能は十分:

搭載されているSoCはUnisoc Tiger T618という事で、前述の通り昨年発売されたRG505と同じなので、エミュ性能も同等と考えてよいだろう。

ベンチマークスコアを比べてみたところほぼ同じであった。

左:RG505、右:RG405M

具体的にどんなゲームを動かせるかと言うと、

据置機なら、N64・PCエンジン・メガドライブ・PS1位までは問題なし。SEGA Saturn・Dreamcast辺りもほとんどのゲームが問題なく動かせる。

GameCubeやPS2あたりは軽いゲームなら動かせるといった印象だ。

また携帯機ならPSPまでは解像度を2倍、3倍程度まで上げてもフルスピードで動かせる。3DSはやや厳しい。

レトロゲームの携帯エミュ機としては十分な性能だろう。

人気の携帯エミュ機でRetroidPocket3+というのがあるが、これともスペックはほぼ同等だ。

今現在Android搭載の携帯エミュ機の主流機と同等の性能を備えていると言って良いだろうは。

アルミシェルの質感が良い:

携帯エミュ機として十分な性能ながら、コンパクトな印象で、アルミシェルの質感と相まって「密度の高い塊」感があり、手にしていて満足感を得れる機体だと感じる。

同等スペックのRG405M、RG505、RP3+の大きさと比較をすると、RG405Mは特に小さく感じる。コンパクトさを求める人にも向いている機体だと思う。

上:RP3(RP3+とサイズは同じ)、中:RG405M、下:RG505

4インチ・画面比4:3のディスプレイは良いかもしれない:

上記で比較対象に挙げたRG505は、4.97インチの16:9のディスプレイで表示領域としてはRG405MよりRG505の方が広い。

ただ、画面比4:3のゲームを表示させると、4インチ液晶のRG405Mと5インチ液晶のRG505とでほぼ同じ大きさで表示される。

上:RG405M、下:RG505

RG405Mの方が無駄の無い表示だ。

コンパクトな機体が好きで、画面比4:3のゲームをメインに遊ぶならRG405Mは良い選択肢になると思う。

3.5インチ・4:3のディスプレイを搭載した機体と比べると、機体サイズはほぼ同じながら表示サイズが大きくなるので、RG350MRG353Mの様な過去のメタルシェル機を愛用している人のバージョンアップ機としても良いと思われる。

上:RG350M、下:RG405M

僕は今年に入ってからRG505をメイン機として使っていたのだが、今後はRG405Mをメイン機に変えちゃおうかと思ったりしているw

4インチ・画面比4:3のディスプレイは良くないかもしれない:

一方で、4インチ・画面比4:3のディスプレイには難点もある。

それは、画面比3:2のGBAや、画面比16:9のPSPの横長スクリーンのゲームの表示サイズをRG505と比べると、RG405Mではかなり小さく表示されてしまう点だ。

上:RG405M、下:RG505

性能的には問題なくPSPのゲームを動かせるのだが、ゲームの表示サイズが小さい。PSPのゲームを少しでも大きな画面で遊びたいという人には、RG405Mは合わないかもしれない。

十字キーの配置は嫌い:

Anbernic製品はRG350M以降、十字キーが上・アナログスティックが下の配置で来たわけだが、ここにきて何故かアナログスティックが上・十字キーが下の配置に変更をしてきた。僕には残念な変更だ。

つか、コレキライ。

RG405MのSoCの性能的には、十字キーが操作キーのメインとなるゲーム機のエミュがターゲットなるわけで、変更しないで良くない?と思った。

Androidゲームや最新ゲームのストリーミングプレイを意識したのだろうか?

だとしたら、今度は画面比4:3というのは相性が悪い。

十字キーの配置については疑問と不満が残る点だ。

十字キーの入力精度は調整が必要:

携帯エミュ機全般に言える事だが、ボタン類の入力精度や感触・感度は今一つの物がほとんどだと感じる。

Anbernic製品について言うと、どの製品も共通で十字キーの斜め方向が無駄に入りやすいという現象が起きる。

RG405Mについてはどうか?

残念な事に、RG405Mの十字キーについても左右方向を押したのに、斜め上に入力されやすいという現象が起きていた。ただ、今までの製品と比べると多少ましな気もする。

入力精度については、個体差もあるだろうし、人によっては気にならないレベルかもしれない。

僕の場合「超気になる」ので、早速分解して調整を加えることに。

以前RG505で行ったのと同じように、十字キーの軸があたる基盤部分を少し盛り上げて入力精度の向上を図った。

具体的には、RG405Mを分解して下記写真の赤丸部分にアクリルテープ片(0.2㎜)張り付けた。

十字キーの軸があたる赤丸部分にアクリルテープを張って盛り上げる

この調整を加えた結果、斜め方向に入りやすいという現象は無くなり思った通りの入力が出来るようになった。どの程度の厚みを加えるかは何度か試行しながら調整した方が良いと思う。

十字キーの入力精度が上がったことで、キー配置が悪い問題もあまり気にならなくなってしまったw

他の機体でも同様の調整は可能だと思うが、機体によって必要な厚みは異なる。

僕の場合、RG505は0.1㎜、RG353Vは0.4㎜、RG405Mは0.2㎜程盛ると良い感じになった。

余談だが、RG405M分解中にLRボタンの接点を見たらシリコンカバーが付いていた。

これのおかげか、LRボタンの入力音は少し小さめな気がする。こういう細かい工夫がされているのは好みだったりするw

入力遅延は小さい:

新しいエミュ機を手にするたびに気になっているエミュの入力遅延。RG405Mでも確認してみた。

いつもの様に、GBAの星のカービィのミニゲーム、刹那の見斬りで検証。

実機でやると大体10フレーム位なので、10に近ければ近いほど遅延が少ないと考えていいだろう。

で結果は以下。

12フレームはエミュ機としては入力遅延が少ない方だ。

Android機は入力遅延が大きいなんて言われていた時期もあるけど、最近は改善されている様でAndroid12を搭載したRG405Mも、入力遅延は小さいと言える様だ。

エミュレーターは自分で入れなおす方が良いかも:

初回起動時に自動でエミュレーターが導入される仕組みになっているが、バージョンが古いエミュレーターが多い。そのままでも普通に遊べるが、気になる場合は、バージョンアップをするとよいと思う。

各エミュのバージョンアップについては別記事にしたのでそちらを参照。

lou-gun.hatenablog.com

ランチャーが進化している:

Anbernic製のAndroid機には専用のランチャーソフトが付属しているのだが、RG505リリース時点の物は使う気にならないレベルの物だった。

その後、何度か更新が入って少しマシになって来てはいたのだが、RG405Mではさらに洗練された感じがする。

以前はスタンドアロン版のエミュはランチャー側から選択できなかったのだが、少し前のアップデートでスタンドアロン版のエミュを選択してランチャーから起動できるようになった。

ゲーム毎に使うエミュを指定できるようになった

また、RG405Mだけの仕様のようだが、ランチャーのデザインを4つのスタイルから選択可能になった。

デフォルト+3つのスタイルの4種類から選択可能

ランチャーってデザインが重要っていうかデザインが全てだと思っているので、選択肢が増えるのは良い仕様だ。しかも、Anbernicのランチャーデザインは僕の好み。

僕のお気に入りはこのデザイン

ただ、残念ながらタイトルごとのサムネル表示にはまだ対応してないようだ。

まとめ:

コンパクトな機体に大きな画面。

アルミシェルの質感の高さ。

送料含めると約25,000円(販売価格:23,299円  送料:1,699円 合計金額:24,998円)とちょっと高めではあるが、アルミシェル機体であることを考慮すると妥当な値段とも言える。

画面比4:3のゲームをメインに遊ぶ人で、アルミシェル好きなら手に入れて満足できる機体だと思う。

興味ある人は以下のリンクから公式販売サイトをのぞいて観ては如何かなw

NEW ANBERNIC RG405M – anbernic

 

RG405Mに初期導入されているエミュレーターの最新化

RG405Mは初回起動時に、自動でエミュレーターが導入されるが、バージョンが古いものが多い。
良く使うエミュレーターは更新しておきたいので、僕が更新したエミュレーターをリストアップしておく。
以下に記載している最新のバージョンは、この記事執筆時点の物となる。
ついでにbisoが必要なゲームのbisoファイルの配置についても補足として記載した。

Freeのエミュエミュレーター:

RetroArch:

  • 初期導入バージョン 1.10.3 → 最新バージョン 1.15.0
  • 更新方法:
     公式サイトからapkをダウンロードしてインストール。
  • biosファイルの配置:
     以下の場所にbiosファイルを配置すれば自動で認識される。
      ~\RetroArch\system
  • 最新COREの導入方法は以下記事参照

RetroArch(Android版)のCore手動導入方法 - No Gadget, No Life

AetherSX2:

  • 初期導入バージョン v1.4-2953 → 最新バージョン v1.5-4248(alpha)
  • 更新方法:
     公式サイトからapkをダウンロードしてインストール。
  • biosファイルの配置:
     biosは任意の場所に格納。アプリを起動して「アプリ設定→Import bios」で読み込む

PPSSPP:

  • 初期導入バージョン v1.11.3 → 最新バージョン 1.14.4
  • 更新方法:
     公式サイトからapkをダウンロードしてインストール。

Dolphin:

  • 初期導入バージョン 5.0-17269 → 最新バージョン 5.0-18498
  • 更新方法:
     公式サイトからapkをダウンロードしてインストール。

Redream:

  • 初期導入バージョン 1.1.98 → 最新バージョン 1.1.98 (最新版もバージョンは同じっぽい)
  • 更新方法:
     更新はGoogle play経由のみ?(未確認)
  • biosファイルの配置:
     以下の場所にbiosファイルを配置すれば自動で認識される。
      ~\Android\data\io.recompiled.redream\files\boot.bin

Citra MMJ:

  • 初期導入バージョン 3aa03fc7e → 最新バージョン 99a89d290
  • 更新方法:
     公式サイトからapkをダウンロードしてインストール。

DuckStation:

  •  初期導入バージョン 0.1-4196-gc71d29bb → 最新バージョン 0.1-4582-g47b012fd
  • 更新方法:
     公式サイトからapkをダウンロードしてインストール。
  • biosファイルの配置:
     biosは任意の場所に格納。アプリを起動して「アプリ設定→Import bios」で読み込む

Snes9x EX+:

  • 初期導入バージョン 1.5.58 → 最新バージョン 1.5.67
  • 更新方法:
     Google playでは更新不可。アンインストールしてから新規導入(未検証)

有料のエミュレーター:

以下のエミュレーターは有料版となるが購入済みアカウントで更新可能と思われる。
Goole Playを使うことに抵抗がある人は要注意。
初期導入バージョンでも動作に問題なさそうだったので僕は未更新。
その為、以下更新情報は未検証。

Mupen64Plus FZ pro:

  • 初期導入バージョン 3.0.294 → 最新バージョン 3.0.328
  • 更新方法:
     更新はGoogle play経由のみ?(未確認)

Drastic:

  • 初期導入バージョン r2.5.2.2a build 104 →  最新バージョン 2.6.0.4a build 109
  • 更新方法:
     更新はGoogle play経由のみ?(未確認)

Yaba Sanshiro 2 pro:

  • 初期導入バージョン 1.9.4 → 最新バージョン 1.10.3
  • 更新方法:
     更新はGoogle play経由のみ?(未確認)
  • biosファイルの配置:
     以下の場所にbiosファイルを配置
      ~\Android\data\org.devmiyax.yabasanshioro2.pro\files\yabause\bios
     配置後、アプリを起動して「設定→一般→bios」で読み込む。

GBA.emu:

  • 初期導入バージョン 1.5.58 → 最新バージョン 1.5.67
     Google playでは更新不可。アンインストールしてから新規導入(未検証)

 

他にも初期導入されているエミュレーターはあるが、基本はRetroArchで代用できるので放置で良いかと思っている。

 

プレイリスト.m3uを使って複数ディスクを同時に読み込む方法(X68000エミュ)

X68000のゲームをエミュで起動する際、複数のディスクイメージに分かれたゲームを起動時に一発でドライブ0とドライブ1へそれぞれ読み込ませる方法(プレイリスト作成)の覚書。

プレイリスト.m3uを作る:

プレイリストを作成することで、ドライブ0とドライブ1に読み込ませるディスクイメージを一度に指定することが可能。

プレイリストはテキストエディタで簡単に作成できる。

例えば、

「悪魔城ドラキュラ」の場合、ディスクが2枚なので吸出したディスクイメージは2つのファイルになる。

  • Akumajou Dracula (Disk 1 of 2).dim
  • Akumajou Dracula (Disk 2 of 2).dim

このゲームを起動するには、

Disk1をドライブ0に、Disk2をドライブ1に入れて起動する必要がある。

ドライブ毎に読み込むディスクイメージを個別に指定しても良いが、ちょっと面倒。プレイリストを作って置けばプレイリストを指定するだけで良くなる。

ROMファイルの格納場所をわかりやすくしたいので、今回は以下の様なフォルダー構成とする。

「X68000」直下にプレイリストをまとめて置き、ディスクイメージはゲーム毎にフォルダーを切って格納することとする。

プレイリスト内で指定するPATHが正しければ、ディスクイメージはX68000直下でもいいし、イメージファイル格納場所は1つにまとめてしまっても良い。

今回は以下の様にファイルを格納する。

左:プレイリスト格納場所、右:ゲーム毎のディスクイメージ格納場所

プレイリストは新規テキストファイルで作成する。

テキストエディタを開いて以下の様に記載。

プレイリストを格納している場所からディスクイメージまでの相対PATHを記載する。

1行目がドライブ0、2行目がドライブ1に対応する。

後は任意のファイル名を付けて保存する。

保存した状態では拡張子が「.txt」になっているので、保存後に拡張子を「.m3u」に変更する。

左:テキストエディタで作成直後、右:拡張子を変更

これで、プレイリストの作成は完了。

エミュ起動時にROMを指定する時は、プレイリストの方を指定すればドライブ0にDisk1、ドライブ1にDisk2が読み込まれる。

ディスクイメージが1つの場合も、同様にプレイリストを作っておくと良い。

ディスクイメージが1つなら1行だけ記載したプレイリストを作ればよい

全てのゲームをプレイリストで管理しておけば、フロントエンドを使ってROMファイルのサムネルを表示させている場合に、「.m3u」のファイルのみ表示とする事で、同一のゲームのサムネルが複数表示されることは無くなる。

ディスクイメージ枚数が多い場合:

ディスクイメージが3つ以上ある場合などで、ゲーム中にディスクイメージを切り替える必要がある場合は、手動で指定し直す必要がある。

RetroArchのPX68Kを使う場合を例に説明する。

PX68Kでは、初期設定でゲームパッドのL2ボタンでディスクイメージ選択画面が表示される。

エミュ起動時にL2を押した時の画面

ここでFDD0とFDD1のイメージをそれぞれ個別に指定できる。

指定し直したら、L2をもう一度押すと上記画面が消えて新たに指定したディスクイメージが読み込まれる。読み込みには、ちょっと時間がかかる場合があるので慌てずに待つ。

ただし、configファイルを書き換えておかないと、イメージファイルが格納されているPATHが表示されないことがあるので注意。

configファイルの書き換え:

RetroArchのX68000 BIOSファイル格納場所(初期設定は~/system/keropi)にある、configファイルをテキストエディタで開く。

[WinX68k]以下の「StartDir=」の右側にROMファイル格納場所までの絶対PATHを追記して保存する。

赤枠部分を追記

注意点として、PATHの最後に「\\」バックスラッシュを2つ追加する事。

これを付けないと、何故か正しくPATHが指定されない。

ちゃんと指定されていると。ゲームパッドのL2ボタンを押した時の画面で、ROMファイルを格納した場所が初期PATHとして表示される。

正しくPATH指定されている状態

ROMファイルのCSO化

PSPのROMファイル(ISO)をCSO化する覚書。

ISOファイルを、CSO化することでファイルサイズを小さくできる。CSO化したROMファイルは、PPSSPP・Henkaku導入済みVITAで使用可能。

参考サイト:

retrogamecorps.com

CSO化:

概要手順は以下の通り。変換作業はWindows上で行う。

  1. UMDGenを入手して、任意の場所に解凍。
  2. 「UMDGen.exe」をダブルクリックして実行。
  3. Batch Image Converter」タブを選択
  4. 変換したいISOファイルをドラック&ドロップ
  5. 「Convert To」で「CSO」を選択
  6. 「Start Batch Conversion」をクリック
  7. 変換されたファイルがISOと同じフォルダーに出力される。

上:ISOファイル、下:CSOファイル

圧縮率はゲームによる。

僕が試した結果は以下。

PSPのゲームをたくさん持っている場合は、結構なストレージ容量を節約できそう。

Henkaku導入済みVITAでCSOを認識させる方法:

Henakaku導入済みVITAでは、CSOファイルも対応しているようなので普通に認識してくれる。

前提条件:

以下は僕が検証したVITAの状況。

  • Henkaku導入済み
  • Vita Shell導入済み
  • Adrenaline導入済み
  • Adrenaline Bubble Manager導入済み

CSOファイルをVITAで認識させる概要手順:

  1. USBケーブルでVITAをPCと接続
  2. 「VITA Shell」を起動して「Select」ボタンを押す。(Windows側でVITAのストレージが見えるようになる)
  3. 「ux0:pspemu\ISO」にCSOファイルをコピー。(人によってはur0:の場合もある)
  4. 「VITA Shell」を閉じて「Adrenaline Bubble Manager」を起動。
  5. 「Adrenaline Bubble Manage」でCSOファイルを選択して、バブル生成。

これでVITAのHOMEにアイコンが生成されるので、選択すればゲームが起動する。

ROMファイルのCHD・RVZ化

ROMファイルのCHD・RVZ化の覚書。

CD-ROMから吸い出した、ISOファイルやCUE・BINファイルをCHD化する事でファイルサイズを小さくでき、ストレージ容量を節約できる。

変換ツールを使えば簡単に変換可能だ。

参考サイト:

retrogamecorps.com

CHD化:

PC-Engine CD-ROM2やPS1、SEGA SaturnなどCD-ROMベースのROMファイルを圧縮する方法。エミュレーター側がCHDの読み込みに対応している必要あり。

手順概要は以下の通り。

  1. GitHubからnamDHC_v113.zipをダウンロードし任意の場所に解凍
  2. 解凍したファイルnamDHC.exeを実行
  3. 画面が出るので「Add file」ボタンを押して、変換したいROMファイル(ISOやCue)を指定
  4. 「CREATE CHD」ボタンを押す
  5. 変換が完了すると、「Output Folder」に指定された場所にCHDファイルが吐き出される。

圧縮率はゲームによる。半分以下の容量になるゲームもあれば、20%程度の場合もある。

今回僕が試したゲーム(PS2の大神)だと17%減。ただ、元のファイルサイズがでかいので、データ容量としては、700M位小さくなっている。それなりに効果的だと思う。

上:変換前のISO、下:返還後のCHD

RVZ化:

Game CubeやWiiのISOファイルを圧縮する方法。Dolphinで使う事が前提。

手順概要は以下の通り。

  1. Dolphinをダウンロードして起動
  2. Dolphinの設定から「ゲームのあるフォルダ」でROMファイルを格納しているPATHを指定しROMファイルを読み込ませる。
  3. 読み込んだROMファイルを右クリックして「このタイトルを変換」を選択
  4. ファイル形式の変換画面でRVZを選択(初期値のままでOK)

  5. 「この設定で変換を実行」を押すとExplorerのポップアップが出てファイルの格納場所が聞かれるので適当な場所を選んで「保存」

これも圧縮率はゲームによる。

今回僕が試した、GameCubeのMetroid Primeでは230M減となった。

RG505 の十字キーを良い感じにしたい

今回は、RG505にちょっと手を加えたら十字キーの操作性が良くなったという話。

なのだが、前半は脱線しているので結果だけ知りたい場合は、RG505の十字キーの問題まで飛ばし読み推奨w

Anbernicの十字キーは良いという誤解:

手を加える話の前に、ちょっと脱線話を・・・・

Anbernic製品の十字キーは操作性が良い。という様な話は、よく見聞きするが本当なのだろうか?

過去10機種くらいのAnbernic製品を触ってきた僕は、

「今となってはAnbernic製品の十字キーは標準以下の操作性」と感じている。

「以前は、Anbernic製品の十字キーは良いと言ってなかったか?」と突っ込まれるかもしれない。確かに「良い」と言っていた時期もある。

ただ、それは過去の話だ。

RG350が売れていた数年前の中華エミュ機と言えば、昔の食玩の様な安っぽい作りの物が多かった。その中で、RG350は機体の作りが他の中華エミュ機より良く、十字キーも取りあえず付けてますという格安機と違って、まともに操作可能なレベルの十字キーが付いていた。つまり、相対的には操作性の良い十字キーと言えるレベルだった。

ただ、NintendoやSony、Microsoftが出している一般的なゲーム機の純正コントローラーには大きく劣る操作性だったのも事実。

2022年頃からOdin ProやRetoroid Pocket3など操作性の良い十字キーを搭載した機体が出始めてきた。

Odin ProやRetoroid Pocket3の十字キーはPS VITAを模しており、操作感・入力精度は一般的なゲーム機の純正コントローラーと比較しても大きく見劣りしない程度まで来ている。

そんな中、Anbernic製品はRG350の頃からほとんど変わらない。その為、相対的に操作性が悪いとなり、「今となっては標準以下の操作性」と感じていると言う訳だ。

かねてより、中華エミュ機の操作性の悪さには不満があった。きっと僕だけではないだろう。そんな市場の不満をくみ取ってか、操作性が良い・もしくは標準レベルに達してきている機体が出てきている中、Anbernic製品はまったく進化していない。

10機種程のAnbernic製品を所有するAnbernicファンとしては、残念な事だ。

ついでに言うと、Anbernicに限らずではあるが、中華エミュ機は個体差が激しく、当たりだと「まあ、良いか」程度に使えるが、外れだとバリがあったり、引っ掛かりがあったりなど、手を加えて加工等しないとまともに使えないこともある。

僕の経験上でいうと、Anbernic製品の場合50~60%の確率で外れを引く。品質管理もしっかりしてほしいものだ。

十字キーの重要性:

もうちょっと脱線話は続く・・・

僕がAnbernic製品を好きな理由は、十字キーを操作系の軸に置くキー配置になっている点。具体的に言うと十字キーが左上、アナログスティックが左下の配置になっているのがお気に入りポイントだ。

最近のゲーム機の多くはアナログスティックが左上、十字キーが左下のXBOX配列になっており、20~30年前のレトロゲームを中心に遊ぶ僕としては、違和感のある配置になっている。

ゲームとは、ユーザー側からのインプットに対してゲーム側がリアクションを起こし、発生したゲーム内のイベントを楽しむ事の連続だと思う。

ただ、ユーザー側のインプットが意図と異なるインプット、つまり、誤入力となってしまうとゲーム内で望んでないリアクションが起こり、楽しめないイベントが発生してしまう。

平たく言うと、誤操作が発生するとゲームが楽しくない。

ゲームを楽しむにはユーザー側が入力した(と思っている)通りにゲームがリアクションしてくれないといけない。

特にレトロゲームにおいては、十字キーがゲーム内のキャラクターを操作する唯一の入力メソッドなので、ここで誤入力が多発するようでは、ゲームを楽しめない。「こんな機体でゲームしてられるか!」ってなってしまうわけだ。

なので、十字キーの操作性、入力精度はレトロゲーマーの僕にとっては超重要なのである。

Anbernicの次世代機はXBOX配列になるという噂もあり、そうなると僕にはAnbernic製品を買う理由がなくなってしまう可能性が有る。悲しい・・・

RG505の十字キーの問題:

さてそろそろ本題に入ろう。

僕はRG505を昨年12月中頃に入手していたのだが、同時期にSteam Deckを入手していた為、1ヵ月程度全く触らないまま放置されていた。

何となく別のおもちゃを触りたいと思った時にRG505の事を思い出し、ちょっと触ってみたところ「これ良いかも?」となって本格的にセットアップすることに。

セットアップ後、数日は機嫌よく使っていたのだが、やはり十字キーの具合が悪い。

Anbernic製品は50~60%の確率で外れを引くと思っているのだが、僕が手にしたRG505は当たりの個体で、良い時のAnbernicクオリティの十字キーだった。

ただ、良いとは言ってもAnbernicクオリティ。問題はある。

最大の問題は、斜め方向の入力が凄く入りやすいことだ。

右方向を押しているのに、右斜め上。左方向を押しているのに、左斜め上に入りがち。

横方向を押して、ちょっとでも上に力が入ると斜め上に入ってしまう。

こんないい加減な入力はPS、Switch、XBOXのコントローラーでは発生しない。

特にシューティングゲームをやっていると、よけたつもりが弾に向かって自機が突進していくというのが多発してしまうのだ。

こんな機体ではゲームなんてやってられない。「何とかならないか?」と考え、有る推論に行き着いた。

それは、「十字キーの軸が短いのでは?」という事だ。

十字キーの軸とは、十字キーの中心にある突起部分で、この突起がある事でボタンを押した時に特定方向にのみ十字キー全体が傾き、その方向にのみにボタンが押されたことにするためのものだ。

GBAの十字キー。赤丸部分が軸

この軸が無いと十字キーを押したときに、複数のキー、例えば右と左が同時に押されるという、あってはならない入力になってしまう。

僕の推論は、Anbernic製品は十字キーの軸の長さが十分ではなく、横方向に入力したときに上下方向のボタンも同時に押されやすくなってしまっているのではないか?という事だ。

この推論が正しいなら、十字キーの軸を少し長くしてやれば操作精度が向上するはず!

軸を長くする方法を考えることに。

手軽に修正したい:

軸の長さを変えると言っても、3Dプリンタの様な、特殊な加工器具を持っているわけでもない僕には何気に対応の難しい課題だ。

プラリペアで軸を少し盛って、やすりで慣らして良い感じにすることも考えたが、軸の問題じゃなかった場合、取り返しがつかないことになる可能性がある。

簡単に加工出来て、かつ、簡単に元に戻せる方法は無いか・・・

そこで思いついたのが、軸が当たる基盤部分にシール等を張って盛る事。軸の接点自体が高くなれば軸が長くなったのと同じ効果を得られるのではないかと考えた。

基盤を盛る:

RG505を分解し基盤の軸が当たる部分に、ちょっと厚手のアクリルテープ片を張り付けて試してみること。

まずは、0.6mm厚のアクリルテープ片を張る。

赤丸部分にテープ片を張って高さを上げる

十字キー全体が上に押し上げられる形になり、キーストロークが短くなった。短くなったというか、ほぼ押せない・・・

強く押すと、上下左右は反応するが、タップ的な押し方では全く反応しない。

さらに斜め方向はほぼ入らない。これはダメだ。

だが、軸を長くすれば斜め方法が入り難くなるという事がわかった。僕の推論は正しい可能性が出てきた。

次は、0.2mm厚のテープ片を張る。

押し心地は何もしてない時とほぼ変わらず。上下左右の4方向も普通の操作でちゃんと反応する。これは良いぞ!と思ったのもつかの間、斜め方向が入り難い。

いや、そうなんだよ。斜め方向を入り難くしたいんだよ、でもね、押したつもりなのに、入ってないはやりすぎなんよ・・・・

最後の望みで、0.1mm厚のテープ片を張る。

0.1㎜ってほぼ何もしてないのと変わんないでしょ?と、もはや諦めムード。機体を分解して、組み立て直してという作業をするのも面倒に感じ始めていたのだが・・・・

良いぞこれ!

横方向を押している状態で、ちょっとだけ上方向に力を入れても斜め方向にはならない。

斜め方向に入れるには、親指が上方向キーに軽く触れる程度まで動かす必要がある。

そうそう、この感じ!

試しにストリートファイターZERO3で昇竜拳コマンドの入力精度を確認する。

初めは、斜め方向が入りやすかった初期状態に比べて、若干昇竜拳が出にくくなったと感じたが、昇竜拳のコマンド終わりは斜め下、波動拳はコマンド終わりが横方向というのを少し意識することで、入力精度が上がったと感じた。

次にシューティングゲーム。横方向に弾をよけたつもりが斜め方向に行くという事態は、ほぼ発生しなくなった。

まとめ:

Anbernic製品の十字キーの軸は短い。という僕の推論は正しかった(自画自賛)

今回の対処方法は、RG505以外の機体でも通用しそう。僕の持っている機体でいうと、Powkiddy製のエミュ機も斜め方向に入りやすい問題が発生していたので、同様の対処方法で改善できるもしれない。

ただ、0.1mmって・・・こんなに繊細だとは思わなかったな。

でも、ゲーム機を出すメーカーには、操作性にもこだわってほしい。たった0.1mmの差でゲーム体験が変わるのだから、メーカーは操作キーの重要性を認識して不満が出ない程度までは高めてほしいもんだ。

2022年 My Best 携帯ゲーム機

今年僕が購入した携帯エミュ機・携帯ゲーム機の中で現時点で一番使っているものをMy Bestとして紹介する。

2022年上期でも同じような記事を書いたが、かぶっているものも多かったりするw

まあ気にせずいってみよう~!

RG503:

まずはLinuxベースのOSを搭載した携帯エミュ機から。

RG503は、2022年末時点で一番使っている携帯エミュ機の一つ。

お気に入りの点は、

  • 5インチ 16:9 のOLEDディスプレイ
  • まあまあの操作性
  • LinuxベースのOSによる統一的なUI

最近はAndroidベースの機体が主流になりつつあるなか、Linuxベースの機体はCustom Firm Wareの導入が必須になるが、導入自体は簡単だし、UIに統一性があって使いやすいのでレトロゲーム主体で遊ぶならLinux機の方が好み。

RG503で動かせるゲームは、据置機ならセガサターン・DreamCast位までの軽めのゲーム。携帯機ならPSPの重くないゲーム位までと、性能はあまりよくない。

ただ、僕の様にスーファミ・メガドラ・ゲームボーイアドバンスの様なレトロゲームを中心に遊ぶ人には十分な性能の機体だと思う。

Custom Firm Wareを入れるなら、JELOSArkOSが良い。

MiyooMini:

実用性というよりもコレクションやちょっとしたお出かけ時の持ち歩きに便利ななのがMiyooMini。

2.8インチの液晶は小さく見やすいとは言えないが、大きさのわりに綺麗に表示されるし操作性もまあまあ。

ちょっとした暇つぶしにはちょうど良い感じの機体だ。

OnionUIを導入することで使い勝手が良くなってさらに楽しめる機体になる。

Odin Pro:

今年はAndroidを搭載した携帯エミュ機が多数リリースされ、RP3RG505なども購入したが、Android搭載機で一番使っているのはOdin Proだ。

Odin Proの良いところは、

  • 6インチ 16:9の大画面
  • 筐体の精度・質感の良さ
  • 十字キーの操作性の良さ
  • エミュ機としては十分な性能(SD845搭載)

こんなところだろう。

動かせるゲームは、据置機ならPS2まで。PS2の場合はゲームによる。携帯機ならPSPまでは問題なしで、3DSもゲームによっては動かせるなど幅広く楽しめる。

エミュレーター(AetherSX2)の最適化が進んだことで、PS2のゲームもある程度動かせるというのはAndroid機ならではの利点かもしれない。

Android機は自分でエミュレーターを一つ一つ設定していかないと快適な環境を作れないという手間はあれど、個々のエミュレーターは頻繁に更新されているものが多く、日々エミュレーター性能が上がってきているのを感じれ、そこも楽しめる。

SD845搭載なので、Androidネイティブのゲームも十分遊べるというのも利用頻度が高い理由だ。

Odin Proの唯一の難点は、ほかのAndroidエミュ機RP3やRG505と比べると入力遅延が大きい事。

Odin ProはAndroid10を搭載しており、もしかしたらOSのバージョンが低いのがネックになっているのかな?と思ったりしている。

今後OSバージョンが上がってくれると嬉しいんだけどな~

ROG Phone6 + Razer Kishi V2:

Androidエミュ機ならスマホで良いじゃん説を実証した組合せw

ROG Phone6はSD8+Gen 1を搭載しており、現時点でこれで遊べないゲームはAndroid機では遊べないと言っても良いレベルの性能だ。

ROG Phone6単体で15万円くらいするし、そりゃ高性能に決まってますw

PS2のゲームもほぼ問題なく動くし、横長の画面を活用して2画面のDSや3DSゲームもわりと快適に遊べる。

去年位までは、スマホを使えば高性能なエミュ機になるとは思いつつも、携帯機スタイルで使える操作性の良いコントローラーが無く、スマホ+ゲームパッドの組合せはイマイチになりがちだったのだが、Razer Kishi V2の登場により状況が変わった感がある。

つまり、スマホ自体よりスマホに付けるゲームパッドの方が重要だったんだね。

最近Andorid対応版がリリースされたBackbone Oneなるスマホ用ゲームパッドも気になっていたりするw

Steam Deck:

Steam Deckは、僕が2022年に購入した最後の携帯ゲーム機であり、2022年に(日本で)リリースされた中で最高の携帯ゲーム機だと思う。

僕はSteam DeckをゲーミングUMPCではなく、あくまでSteamプラットフォーム専用の携帯ゲーム機として捉えている。

なので、Steam DeckにWindowsを導入するなんてのは考えられない。

Windowsを使いたいなら高性能なゲーミングUMPCを入手した方が良い。

何を楽しみにするかは人によるので、色んな使い方を模索することを楽しみたい人はWindowsでもBatoceraでも導入することを楽しめばいいと思う。

僕の場合、セットアップすること自体を楽しむタイプではなく、ゲームする事を楽しみたいタイプなので、余計な手間をかけずに即Steamゲームが遊べるSteamOSを搭載したSteam Deckがちょうど良い。

Windows機だとそれなりにセットアップが必要だし、キーボード・マウス無しでのセットアップは苦行になってしまうが、Steam Deckはキーボード・マウスを接続する必要性を感じることは無く、すべての操作が切り替えボタン等を使う事もなく、コントローラーのみで完結できるUIもゲーム機らしくよく出来ている。

その上、各ボタンの精度も良く、握りを変えることなく全てのボタンに無理なく指が届く配置も秀逸だと思う。

僕の様にSteam専用ゲーム機として捉えて使う事も、OSを入れ替えていじり倒すことも出来るので、人それぞれの楽しみ方が出来るのもSteam Deckの良い点かもしれない。

Steam Deckは大き過ぎる?重い?そう思う人ほど一回手に取ってみると良いと思う。確かに大きくて重いけど、それを許容できる楽しさがあると思う。

まだ、試せていないがEmuDeckを導入すればエミュ機にもなるようだ。ってことはオールインワンな機体になりますな。年末年始休暇中にでも試してみたいと思っている。

 

今年もいろんなゲーミングガジェットを買ったが、他にも気になる機体がまだあったりはする。

だた、現時点では上記で挙げた機体でやりたいことはほぼ出来ているのでひとまず満足している。

来年もテンションが上がる機体が、リリースされることを期待したい!

X68000Z クラウドファンディング開始

2022/12/3の19:00からクラウドファンディングにてX68000Zの募集が開始される。

kibidango.com

やっとマシンスペックなどの詳細情報も公開され始め、徐々にX68000Zの全貌が見えてきた。

と同時に、僕の様にX68000を「高級ゲーム機」として捉えている人には手を出しずらい製品だという事もわかり始めてきた。

公開された情報を見ながら、僕の感想をつらつらと書いてみようと思う。

商品概要:

  • 商品名:X68000 Z LIMITED EDITION EARLY ACCESS KIT
  • 本体カラー:グレー
  • 価格:49,500円(税込)
  • サイズ:約W65㎜×D114㎜×H151㎜
  • 重量:約600g
  • 同梱機器:キーボード、マウス、HDMIケーブル、USB‐TypeCケーブル、専用SDカード
  • ゲームソフト:数本をバンドル予定、タイトルは後日発表
  • 予約受付期間:2022年12月3日19時00分から2023年1月28日23時59分まで
  • 商品発送予定日:2023年3月31日より順次発送

上記が公開されている商品概要。

「EARLY ACCESS KIT」と付け加えられていて開封後即遊べる、いわゆる一般向けの商品ではないことが強調されている。

クラウドファンディングにした理由として以下の様なことが書かれていた。

 

加えて、購入いただいたユーザーの皆様に一定のスキルと理解を求めながら完成版に近づけるといったチャレンジングなものであり、当初から一般的な流通にのせられるような分かり易い製品ではありません。 」

 

つまり製品としては完成していないけど販売したいと?!

当初は年内発売予定じゃなかったけ?

何を販売するつもりだったの?

というような疑問がわいてくる。

当初はX68000風のケースにワンボードPCの基盤を載せて、後は自分で何とかしてね的な商品を考えていたのではないかと勘繰ってしまう。

ま、価格次第ではそれでも良かったんだけどねw

キット内容:

キットにはX68000Z本体とX68000を再現したキーボードとマウスが付属する。

X68000のキーボードがほぼ完全再現され、さらに、CTRLキーが追加さている。また、Windowsのレイアウトへの変換スイッチもついていて、Windowsでも使えるキーボードになっているようだ。

マウスはオリジナル同様、トラックボールにもなる仕様が踏襲されている。普通にマウスとして使う場合は光学マウスになるようだ。オリジナル同様のトラックボールがマウスボールになるギミックではなく、現代風にアレンジ再現という形になっている。

これらキーボード・マウスの再現性と質感が高ければ、これだけでも欲しいって人も居るだろう。クラウドファンディング開始時点でどうなるのかはわからないが、どうやらキーボード・マウスのみの販売もありそうだ。

出来が良いなら、キーボード・マウスだけも30,000円位はしそうな気がするが、本体込みで49,500円はちょっと高くない?と思ったりもする。

追記:

  • キーボード・マウスのセットで36,500円
  • キーボード単体で29,500円
  • マウス単体で9,680円

とのこと、思ったよりキーボードが高いね・・・

X68000Z本体の仕様:

公開されているX68000Z本体の仕様は以下

これって中身は、PCエンジンミニやメガドライブミニ2などと全く同じなんだよね・・・

メガドライブミニ2はゲームが60本内蔵されていて、約1万円。

X68000Zは、β版のX68000エミュにゲームが数本ついているだけ。キーボード・マウスを30,000円相当と考えると、本体部分は約20,000円。そう考えるとちょっと高くない?と感じてしまう。

ま、僕がゲーム部分メインで考えるからそう感じちゃうんだろうけどね。

追記:

キーボード・マウスセットが36,500円だから本体分は13,000円。

う~ん、エミュの出来と汎用性、付属ソフトの数によっちゃありかもしれない。

搭載されているエミュの性能が高く、かつ、手持ちのソフトを起動させる手段が用意されているならありかも?

てか、キーボード・マウスが高すぎだね・・・

X68000Zで何ができるのか?:

今公開されている情報では、正直何ができるのかよくわからない。

公開されている情報で気になる事として

 

権利関係が複雑で搭載を半ばあきらめていた「Human68k」の許諾をいただける目途も立ち、エミュレータ開発を鋭意進めています。 ただし、我々が目指す完成にはまだ到達していません。」

 

という部分。どうやらオリジナル同様のOSが搭載されるようだ。ただし、エミュレーターは開発段階にあり、出荷時点ではβ2版であるとの事。

このβ2版の完成度がわからないと、X68000Zの価値も利用用途も判断しにくい。

 

また、ゲームで遊ぶ事を考えた場合、本体正面のSDカードスロットからゲームを実行できるようだが、このSDカードの扱いが良くわからない。

公開された内容には、

 

ソフトウェアはオリジナルの「β2版X68000エミュレータ」を搭載します。これにより、専用のSDカードを介して当時の資産(ゲームや自作プログラム等)を動作させることが可能になります。」

 

とあるのだが、当時の資産をどうやってSDカードに置き換えるのか?謎だ。

5インチフロッピーディスクのデータを吸い出すのは結構大変なのだが、それが出来る人なら遊べるよくらいの事なのかもしれない。

あと、UART端子の存在。

これは僕が知識不足なだけだと思うけど、この端子の利用用途が良くわからんw

買いなのか?:

クラウドファンディングに参加するかはちと微妙だ。

ロードマップを見ると、Phase2というのがありそこではBLACK MODELやX68030、XVIなどと記載されている。

僕は黒のX68000を持っているのでX68000と言えば黒という印象。なので、出来ればBLACK MODELが欲しい。

Phase2以降があるかどうかは、クラウドファンディングが成功するかによるとは思うが、最低3300万円、できれば1億円達成が目標との事で、出荷台数に置き換えると約700台~2000台という事になる。

少なくとも、1000台くらいは出荷するでしょ?と考えるとPhase2を待って、何ならX68000エミュの完成度が上がり、ゲームライブライリーが増え、過去の資産の活かし方がはっきりしてから手を出せば良いのではないかと思い始めている。

公式サイト:

www.zuiki.co.jp

プレスリリース:

prtimes.jp

【雑記】X68000 Z LIMITED EDITIONについて思う事

X68000Zの詳細発表と予約が延期になってしまった。

X68000Zの発表時は条件反射的に「これは買い!」と思っていたが、延期が発表されたのを機に、ちょっと冷静になってX68000Zについて僕なりに考えてみた。

X68000Zとは?:

X68000 Z LIMITED EDITIONは、1987年にSHARPから発売されたホビーパソコン X68000のミニ版という事になるようだ。

僕は当時X68000ユーザーで、今でも大事に実機を保管しているX68000ファンだ。

X68000は、モニターと合わせると40万円位する高価な機体。当時から色々な用途で使っている人がいたとは思うが、僕の場合は主にゲーム機として使っていた。

うちは貧乏ではなかったが、特別裕福な家庭ではなかったので、当時40万円の機体を10代の子供がゲーム機として所有していたのかと思うと、今さらながら親には申し訳ない気持ちが・・・

とまあ、僕的には高価なゲーム機的な印象が強い機体で、当然X68000Zを入手したらゲームを動かしたいと思っている。

ただ、X68000Zは他のミニ系ゲーム機とは色々とコンセプトが異なるので、ゲームメインで考えるのは違う様な気がするのだ。

瑞起のインタビューを見ると、他のミニ系ゲーム機とは開発コンセプトが異なるのを感じる。

実機を再現したフルサイズのキーボード&マウス・トラックボールが付属し、それを使ってもらいたいとある。つまりパソコンとして使わせたいという事だろう。

さらに、X68000の文化を補完したいと言うコンセプトもある様だ。これはつまり、X68000の開発環境の補完的なことだと思われる。

X68000のゲーム環境としての側面もある程度は考慮されるだろうが、そこはメインではないように見受けられる。ゲームパッドも付属してないようだし。

こうなってくると、僕がX68000Zを購入したとして何に使えば良いんだ?となりそうな気がしてきている。

ミニゲーム機としてのX68000Z:

X68000と言えば、当時アーケードのゲームを家庭用の機体に完全移植出来る唯一の機体だった。OSに付属していた、グラディウスの再現性なんて感動ものだった。

同年代のゲーム機は、PCエンジン、メガドライブなどで、X68000の数年後(1990年)にリリースされたスーパーファミコンでさえ、X68000のアーケードゲームの再現度には遠く及ばなかった。

X68000の機体性能を活かしたパソコンオリジナルのアクションやシューティングゲームもあったが、数はあまり多くない印象。

X68000でリリースされたグラナダ。後にメガドライブにも移植された

一番多かったのは、他のパソコンでも出ていたRPGやAVDゲームなどだった気がする。特にちょっと大人向けのAVDとかw

僕としては、X68000はアーケードゲームの移植版を遊ぶ最高の機体という印象なのだが、それをX68000Zに期待しているのか?と問われるとなんか違う気がする。

何故なら、X68000でリリースされていた有名アーケードのタイトルは、今や現行機でいくらでも遊べる。エミュレートによる所謂完全移植版やオプション機能が豊富なアレンジ版もある。

今となっては、過去のアーケードゲームを遊ぶためにX68000を選ぶ意味は薄くなってしまっているのが現実だ。

そもそも、X68000Zを販売する瑞起はゲームソフトメーカーではないので、ゲームの版権等は持ってないだろう。となると、ゲームを収録して発売するには、他のミニゲーム機を販売したメーカーよりも高いハードルを越えなければならず、多くのゲームタイトルを収録してX68000Zをリリースするというのは難しいだろう。

そう考えると、X68000Zのミニゲーム機としての価値はあまり高くないように思われる。

X68000Zをどう使うのか?:

ゲーム機としてはあまり期待できないとなると、X68000Zに何を期待すればいいのだろうか?仮に購入したとして、何に使うのか?現時点では想像ができないw

使用用途が見つからないまま、オブジェになってしまう可能性もある。

そうなると、X68000Zの販売価格も気になるところだ。実機を再現したフルサイズのキーボードとマウスが付くことからも安くはないだろう。僕の予想は5万円前後。

5万円のオブジェ・・・・いらないな~(汗

ますます、購入するかどうか悩ましくなってきた。

どんなX68000Zなら欲しいのか?:

正直ミニPCとしてのX68000Zにはあまり魅力を感じない。X68000をソフト的に再現したいなら、PCのエミュレータでも良いのではないかと思ってしまうからだ。

X68000は公式からOSが無料公開されている。個人利用の範疇ならこれをダウンロードして無料かつ合法で使える。これとXM6などのエミュレータを合わせれば、現行のPC上でX68000をソフトウェア的に再現することが出来る。

X68000Zもエミュレータであると想定されるので、素のX68000の再現性という意味ではPC上で実行するエミュレータと大きく違わないような気がする。

むしろ、X68000Zは商品となるのでSHARPが公開している公式のOSを同梱することはできないだろう。となるとどうやってOSを再現してくるのか?この辺は見ものだ。

PC上でほぼX68000が再現可能なら、普通のPCとしてX68000Zを売り出せばいいのではないか?と思ったりする。

瑞起の開発コンセプトもホビーパソコンであるX68000の再現という事であるのなら、ミニにする必要は無く、原寸大のX68000+モニターを再現し、見た目だけX68000のWindows機として再生させてみた方が面白い気がする。

X68000の機体デザインは是非再現してほしい。

こんな形のWindows機だったらテンション上がるw

プリインストールソフトとして、瑞起がカスタムしたX68000エミュレーターが付属しているとかどうだろうか?

X68000に付いていた入力ポートなんかもハード的に再現して、そのままWindows上で使えるようにしてしまったらなお面白い。

まあ、価格は爆上がりするだろうけどw

 

まだ、X68000Zの詳細発表がいつになるのはわからないが、僕らの期待を上回る衝撃の内容を期待したい。

www.zuiki.co.jp

Anbernic RG353V を JELOS-DEV / ArkOS で起動する

JELOS-DEVからRG353V対応版がリリースされた。

早速導入して動作確認だ!(今回は速報的な記事です)

JELOS-Dev

導入手順:

簡単に導入手順を書いておく。難しいことは何もない。

  1. JELOS-DEVからRG353P対応のイメージをダウンロード(JELOS-RG353P.aarch64-202210021651.img.gz)
  2. ダウンロードしたファイル解凍しておく
  3. balenaEtcherなどのイメージファイル書き込みソフトをPCにインストールしておく
  4. PCにMicro SDカードを接続する
  5. 念のためMicroSDカード(8~16GBで十分)は、フォーマット(Fat32)しておく
  6. balenaEtcherを起動し、解凍したJELOS-DEVのイメージファイルをPCに接続したMicroSDカードに書き込む(間違ってPCのHDD等に書き込んでしまわないように注意!)
  7. 書き込み終わったら、PCからMicroSDカードを取り出しRG353VのTF1スロットに入れる
  8. 初回起動時は、TF2は空(SDカードを刺してない状態)にする
  9. JELOSが起動出来たら、Startボタンを押してSYSTEM SETTING から「DEVICE IS RG353V」にチェックを入れて再起動
  10. 再度起動したら、電源を落とす
  11. TF2にROMが詰まったMicroSDカードを刺してRG353Vを起動
  12. 遊ぶ

不具合:

僕が軽く試した感じでは、まだいくつか不具合が残っている

  • システム画面で音が出ない
  • ゲーム中は音がでるがたまに出ない(出ない時はボリュームボタンを触ると出たりする)
  • yabasanshiroなどの、スタンドアロン版のエミュではキーがアサインされていないエミュレータがある
  • JelosAddOnsが機能しないので、Drasticは使えない
  • ThemaMasterも機能しないので、テーマが落とせない

など。じっくりチェックしてないので間違っている部分もあるかも・・・・

次の安定板が出るころには、バグ修正されてRG353Vでもちゃんと使えるようになっていると良いな。

【追記】安定版(2022/10/4):

試していないが、RG353V対応のJELOS安定板もすでにリリースされている。

ArkOS:

ArkOSもStable版が出ていたので、追記しておく。

試してみたところ、こちらは普通に使えそうなので僕は当面ArkOSを使っていく予定。

 

導入手順はJELOSとほぼ一緒だが、ROMデータをTF2のSDカードに入れて使うには、

  1. ROM用SDカードをTF2に刺してArkOS起動
  2. SETUPからSwitch to SD2 for ROMSを選択

これで、TF2のSDカードが読み込まれるはず。詳細は、Wiki参照。

また、HOTKEYもJELOSとは少し異なるのでこちらもWiki参照。

 

NEW ANBERNIC RG353VS/RG353V ポータブルゲーム機 RK3566 – anbernic