X68000の思い出
X68000は1987年にリリースされたホビーパソコン。モニターとセットで40万円くらいする高級機だった。当時高校生になったばかりの僕は、親にねだって買ってもらい、ただのゲーム機として使っていた。なんという親不孝者。今自分の子供に40万のパソコン買ってくれとねだられても買ってあげられない・・・・つか、ブチ切れそうw
1987年と言えば、スーパーファミコンがリリースされる3年も前だが、40万円もするだけあって、アーケードのゲームが完全移植されるほどの高性能マシンだった。OSに付属するグラディウスは、アーケード版との違いが判らないほどよくできていて、ファミコン版との差に驚いたもんである。
今でもX68000実機は押し入れにしまってあるが、時折遊びたいな~と思ったりしても、面倒でしまいっぱなしになっている。
そんなX68000をRG351Pで動かせたので、設定方法をまとめておこうと思う。
基本同じ方法で、Android機のRetroArchでも動作させることができる。
準備
必要なのは、まずシステム用のファイル
・iplrom.dat : X68000のBios?OS?ファイル
・cgrom.dat : フォントファイル
(システムファイルは昔配布してたよね?!それを使った)
後はゲームデータ。RetroArchのCoreとして使われているPX68kでは、いくつかのファイル形式をサポートしているようだが、今回僕がRG351Pに導入したEmuElecでは、.dimしか対応ファイル形式に書かれていない。(.m3uも書かれているがこれはプレイリストだと思う)
導入
まずは準備したシステムファイルを所定のフォルダーに格納する。
EmuElecなら
/Storage/rom/bios/keropi
に、iplrom.datとcgrom.dat を入れる。
AndoridのRetroArchなら、
~\RetroArch\system\keropi
に、iplrom.datとcgrom.dat を入れる。
keropiというディレクトリーは自分で作ればよい。
あと、Andoridの場合は、PX68KというコアをRetroArchにダウンロードしておこう。
次にゲームデータだが、
EmuElecなら
/Storage/rom/X68000
に、ゲームデータを入れる。
Androidはどこでもいいが、あまり階層が深いとうまく読み込めないことがあるらしいの、ほどほどのところに・・・
僕は外部ストレージの直下にX68000というディレクトリーを切ってそこに入れている。
起動
起動方法はいくつかある。
ゲームデータが1つの場合(フロッピー1枚のゲームの場合)
これは、他のゲームの起動と大差ない。ROMを入れたX68000フォルダーのゲームを指定してあげれば、それで起動する。Android機ならROM指定後、CORE選択でPX68Kを指定すればいい。あとは遊ぶだけw
ゲームデータが2つの場合(フロッピー2枚のゲームの場合)
後述の方法でも起動できるが、プレイリストを作ると起動が楽になる。
例えば、ゲームデータに
Daimakaimura_Disk1.dim
Daimakaimura_Disk2.dim
という2つがある場合、
テキストエディタで以下2行だけを書いたファイルを保存する。
Daimakaimura_Disk1.dim
Daimakaimura_Disk2.dim
でファイル名を、「Daimakaimura.m3u」としておく。
後は、
Daimakaimura_Disk1.dim
Daimakaimura_Disk2.dim
Daimakaimura.m3u
を同じPATHに入れておき、ゲームを起動したいときは、Daimakaimura.m3uを指定すれば、Disk1とDisk2がFDD0とFDD1にそれぞれ読み込まれる。
RG351Pだと、同じようなタイトルが3つも並んでいるとうっとうしいので、僕は
X68000/Daimakaimura/というPATHを切って、そこにROMをいれ、X68000の直下にはDaimakaimura.m3uだけを置くようにしている。
以下のような構成になる。
X68000/Daimakaimura.m3u
X68000/Daimakaimura/Daimakaimura_Disk1.dim
X68000/Daimakaimura/Daimakaimura_Disk1.dim
で、このようにしてファイルを保存する場合は、.m3u内で相対ファイルPATHを指定しておく必要がある。具体的には、以下2行が、.m3uの中身になる。
Daimakaimura/Daimakaimura_Disk1.dim
Daimakaimura/Daimakaimura_Disk1.dim
ゲームデータが3つ以上の場合(フロッピー3枚以上のゲームの場合)
これが難解だった・・・実機ではフロッピー入れ替えろと言われたら、取り出して指定された番号のフロッピーを入れればいいわけだが、エミュレーター上でどうやるのか・・・全然わからず、だいぶ悩んだ。
まず準備が必要。
一度でもX68000エミュを起動すると ~/keropi にconfigという名前のファイルが生成される。内容はよくわからないけど、設定ファイルなんだと思う。このファイルをテキストエディタ―かなんかで開いて、StartDir=/ という行を探す。
でそこに、ROMのPATHを指定して保存する。
RG351Pだと
StartDir=/Storage/rom/X68000//
と記載する。ポイントは最後のスラッシュ2つだ。なぜか2つつけないとうまくいかなかった。
Androidでも同じように、ROMフォルダーまでのPATHをここに書いて最後はスラッシュ2個をつけて保存する。
configファイルを更新したら準備OKだ。
後はゲームを起動して途中ディスクの変更画面が出てきたらL2ボタンを押すと以下のような画面が出てくる。
ここで、FDD0とFDD1にそれぞれ指定されたディスク番号のディスクを指定してあげればよい。方向キー、Aボタン、Bボタンで操作可能だ。
configファイルで指定したPATHが正しければ、ポップアップ画面が出てきてROMを保存しているディレクトリーが開くはずなので、そこでディスクを指定する。
FDD0、FDD1それぞれファイル指定が終わったら、もう一度L2ボタンを押して少し待つと入れ替えたディスクを読み込んでくれるはずだ。
これで、あとは楽しむだけなのだがRG351Pだともう一つ問題がある。画面の解像度が低い為なのか、ディスク変更画面の文字がつぶれて読めないのだ。
なので、RG351Pでは上記の画面を出したら、一度L3R3押してRetroArchの設定画面を出して、画面のアスペクト比を変更する必要がある。
Setting→Video→Scalling を選択してAspect Ratioが3:2になっているのをCustomにすると拡大されて文字が読めるようになる。
読めるようになったら、ディスクを変更してから、元のアスペクト比3:2に戻してL2を押し、ディスク変更の画面を閉じればいい。
ちょっと面倒なのよね・・・これ。なんとかならないのかな・・・
とはいえこれでX68000のゲームも遊べるようになった。
余談
個人的には、X68000はアーケードゲームの完全移植版が遊べるという印象なのだが、X68000に移植されたアーケードゲームなら恐らくほとんどがMAMEやFBAで動かせるので、アーケードの基盤からROM吸出しできる人なら、そっちで遊ぶ方が良いかもしれない。
他にもコンシューマー機やパソコンゲームの移植作もたくさんあるが、X68000にしかリリースされてないタイトルってあまりないかもしれない。同タイトルでもX68000版はクオリティーが高いものが多いので、比べてみるのも面白かも?!