はじめに
GameSir X2(以下X2)と8BitDo Pro2(以下Pro2)とで、Androidスマホで使うゲームパッドとしてどちらが優れているのか?を、比較する。主にスマホを使ってエミュで遊ぶ際に、より使いやすいのはどちらかという視点での評価となる。
評価のポイントは以下の通り。
- 操作性
- グリップ感
- 重さ
- 利便性
- 携帯性
- 機能性・汎用性
これらの評価ポイントを5段階で評価し、合計得点が高いのはどちらになるのか?という事だ。
GameSir X2 Type-C Mobile Gaming Controller 2021 New Versionwww.gamesir.hk
ランドスケープ型とクリップ型
比較の前にX2とPro2のフォームファクターの違いを確認しておきたい。
X2はスマホを左右から挟み込むタイプ(ここでは、ランドスケープ型とする)で、スマホを付けたときにバランスが良く、あたかも一体型の携帯ゲーム機の様になる。
一方スマホクリップを使ってゲームパッドにスマホを取り付けるタイプ(ここではクリップ型とする)は、フルサイズの好みのゲームパッドを使える。
X2とPro2はランドスケープ型とクリップ型それそれで、僕の知る限り現時点でベストなゲームパッドだと思う。なので、X2とPro2を比較することでスマホ用のゲームパッドとして最適の物がわかるという事になる。
操作性
ボタンの大きさや配置、押し心地が操作性にかかわってくる。
まずボタンの大きさだが、レトロゲームで遊ぶ場合は十字キーとABXYボタンを使うのがメインとなるので、これらを比較すると。
十字キーの大きさ(上下の端から端までの長さを比較)
- X2:19㎜、Pro2:23㎜
ABXYボタンの大きさ
- X2:7㎜、Pro2:10㎜
となり、X2はボタンサイズが小さくやや操作しにくいと感じる。
ボタン配置はとしては、X2は十字キーが下側にあるため十字キーメインのレトロゲームを遊ぶには少し操作しにくい場所となっている。Pro2は、十字キーが上側についていて自然に操作しやすい場所になっている。
ボタンの押し心地としては、X2は浅めのカチカチっとしたクリッキーな感じ。Pro2はX2と比べると若干ストロークく、押し心地はソフトな感じだ。
L2R2にも違いがある。X2はデジタル式のボタンになっているが、Pro2ではアナログ式のストロークの長い押し心地となっている。僕の場合L2R2はほとんど使わないので、「違い」ではあるが、どちらが良い悪いという評価はしないことにする。
X2は、ボタンの小ささによる操作のしにくさはあるが、クリッキーな押し心地がそれをカバーして、総合的にはそこそこの操作感になっている。
ただ、十字キー右下のスクリーンショットボタンが邪魔で、コマンド系の格闘ゲームをやると頻繁にスクリーンショットボタンを押してしまうというアクシデントが発生する。これは大きなマイナスポイントだ。
一方Pro2は単体のゲームパッドとしても操作性が良く、申し分ない作りだと思う。
という事で、操作性の評価は
- X2:3ポイント
- Pro2:5ポイント
グリップ感
手に持って遊んでいる時の握り(グリップ)の良さはどうか。
X2は背面が少し膨らんでおり、そこにラバーが貼ってあるためグリップ感は良い。ただ、十字キーメインに使う場合、左側はゲームパッドの下側を持つようになるためグリップをしっかり持てなくなってしまう。
Pro2は、グリップ部にラバーコーティング等はないものの、十分な長さのグリップが付いているので、十字キー操作でもアナログスティック操作でも、しっかりグリップできる。グリップ感の評価としては
- X2:4ポイント
- Pro2:5ポイント
重さ
X2の単体での重さは、167g。Pro2にスマホクリップを付けた状態の重さが、270g。この時点で100g以上の差がある。これにスマホの重さが加わるので、僕の場合Galaxy Note 10 Plusを付けると、
- X2+Galaxy Note 10 Plus:398g
- Pro2+Galaxy Note 10 Plus:501g
となる。
X2を使っている時は、重さは全く気にならなかったのだが、Pro2は重いと感じてしまう。長時間のプレイをすると手が疲れる。
2軸式クリップの採用により、重さのバランスは良くなったとはいえ、500g超えはさすがに重い。という事で、重さ評価は
- X2:5ポイント
- Pro2:3ポイント
利便性
僕は入力遅延が気になる人なので、有線接続が前提となる。X2はそもそも有線接続しか対応していない。パッドにUSB-C端子が付いていて直接差し込む形になっている。
このUSB端子は斜め方向と、上下に可動するので差し込む際も無理なく差し込みやすい。ゲームパッドだけ取り出して、さっと刺せばすぐ使えるので利便性は高いと感じる。ただし、ケースが付いていると刺さりが悪くなるのでケースを外す必要がるのが、ちょっと手間。
Pro2は、新型のスマホクリップによって、クリップ使用時の有線接続ができるようになった。ただ、スマホで使うには、スマホクリップをつける・スマホを挟む・ケーブルを差し込むと、取り付けが若干面倒。特に、ちょっと遊びたいだけという時は、面倒に感じてしまい、X2やRG351Vなどを手に取ってしまうこともあるw
なので、利便性評価は
- X2:5ポイント
- Pro2:3ポイント
携帯性
X2、Pro2どちらもケースに入れて持ち歩けば、それほど大きな差は感じない。
X2のケースは薄くて横長、Pro2のケースは、幅はX2程無いが、厚みがあり、丸っとしたケースになっている。
X2は付属品等必要ないので、ケース内はゲームパッドのみ。Pro2の場合は、クリップやケーブルを外してケース内に収めて持ち運ぶことが出来る。
携帯性そのものには、ほとんど差を感じないが、携帯するために分解作業が必要なPro2の方が、気持ち不便に感じる。という事で、携帯性の評価は
- X2:5ポイント
- Pro2:4ポイント
機能性・汎用性
機能の差をあげると、
X2は
- スクリーンショットボタン
- Egg NS Emulatorに対応
- プレイしながらスマホ充電可能
Pro2は
- 連射機能
- Bluetooth接続
- ボタン割り当て機能
- 背面パドル
- マクロ機能
- 振動機能
- Switch/Mac/iOS/Windows/Androidに対応
と、機能性はPro2が圧倒的に高い。
個人的に、連射機能は必須なので、ここはX2のマイナスポイントだ。
また、X2は、Android10以上のUSB-C端子が付いているスマホでしか使えない。Pro2はBluetooth接続もでき、ほかのゲーム機でも使えるので、これ一つでゲームパッドとしてすべてをまかなえるという点で、汎用性も高い。持ち歩くときはPro2だけあれば、PCとかでも使えるので荷物も減るしw。という事で
- X2:3ポイント
- Pro2:5ポイント
結果発表~!
上記の評価点を合計すると、なんと同点!
各評価ポイントはそれぞれ個別に評価した結果なので、狙った結果ではない。
白黒付かんのかいっ!って自分でも思うが、感覚的にも甲乙つけがたいと感じているので、この結果は妥当なんじゃないかと思う。
価格的には、購入場所によるが、ほぼ同じ位。
X2はケースが付属しており、7000円~8000円。
Pro2は単体では5000円~6000円。クリップ、ケースを付けると7000円~9000円となる。
総評すると。
- 操作性重視で、フルサイズのゲームパッドを使いたいならPro2
- 重さを気にせず、一体型の携帯ゲーム機の様に使いたいならX2
という感じだ。
今後のスマホ用ゲームパッドへの期待
Pro2はクリップ型としては、ほぼ完成系だと思う。重さの問題はあるが、今の機能を維持するなら改善は難しいと思う。なので、今後の進化はあまり期待できないと思っている。
一方でランドスケープ型のX2は、まだまだ改善の余地があると思う。多少サイズアップしても良いので、各ボタンの大型化、十字キー配置の変更。グリップの大型化、連射機能の追加などの変更が入れば、スマホ用ゲームパッドとしてはベストの物になるのではないかと思ったりする。
余談
Pro2の重さが問題なら軽くすればいい。と思い、改造できないかと思ったりしている。
有線接続ならバッテリーパックはなくても良いし、レトロゲームをするのに振動機能は必要ない。となれば、バッテリーをはずし、かつ、分解して振動部品を外してしまえば、100g位の軽量化になるのではないだろうか?!かといって、買ったばかりのゲームパッドを問題あるわけでもないのに分解するのはヤダな~と・・・。ちょっと悩んでみますw