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AfterShokz AS801-ABT01 レビュー

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AS801 ABT01

AfterShokzのトランスミッター付き骨伝導ワイヤレスイヤホンのレビューをしてみようと思う。

AfterShokz AS801-ABT01とは

ちょっと前に話題になった、骨伝導ワイヤレスイヤホンAEROPEXの兄弟機で、骨伝導イヤホンとトランスミッターがセットになったものだ。

AEROPEXとの違いは、トランスミッターが付いているというのと、APTXに対応しているというところでイヤホン自体の形状、見た目はほぼ同じだ。

骨伝導の音

AS801で初めて音を聞いた時の印象は「安っぽい音」だ。全体的に音が軽くって、中身が詰まってない感じがする。僕は音の違いなんてあまりよくわからないけど、この音があまりよくないのはわかった。今時1,000円くらいのイヤホンでも、もうちょっと良い音を出すと思う。

さらに、音がこもって聞こえるため、若干人の話す声や歌の歌詞が聞き取りにくい。

AS801は2つのイコライザー設定があり、低音を響かせる設定と中高音響かせる設定を選べる。低音を響かせる設定が初期設定になっており、この設定だと低音が大きく鳴っていると振動が大きく、耳がくすぐったく感じる事がある。ちょっと鬱陶しい。

耳栓が付属していて、外音を遮断したい時は、耳栓を付けて音に集中できるようになるようなのだが、耳栓を付けると音が大きく聞こえ、低音が凄く響くようになるので、中低音が響く設定に変えることが出来るようだ。

ただ、耳栓を付けると通常でもこもっている音が、さらにこもってしまい、歌の歌詞を知らないと何言っているかわからない位になってしまう。

26,000円以上という価格を考えると、かなり酷い音質だと思う。

音漏れ

盛大に音漏れする。電車の中で隣に人が座っていたら、何を聞いているかまる聞こえ位音漏れしている。これは、通勤時には使えそうにない。

僕の場合、家の中でPCに接続して使うことになりそうだ。

装着感

人によって装着感は変わりそう。僕はいまいちだった。

イヤホン本体の重さが26gと軽く、後頭部側から、耳に引っ掛けてつける。

軽いし、ひっかけるだけなので装着感も少なく長時間の使用も快適かな?!と思ったんだけど、そうでもない。

まず、音を出す部分を耳の耳珠と呼ばれる部分にあたるようにするのだが、どうもしっくりこない。良い感じにあたっている時は、比較的大きな音でクリアに聞こえるのだが、少しずれてしまうと、音が遠のいてしまいこもった音になる。良い感じにするのが難しい。

ひっかける部分も微妙で、耳の上にひっかけるわけだが長時間使っているとひっかけている部分が痛くなってくる。マスクを長時間つけていると痛くなってくるあの感じだ。

僕は眼鏡も併用するので、ひっかけている部分がさらに圧迫され違和感が凄い。

数日使って少し慣れてはきたが、それでも長時間の連続使用はキツイ。

APTX接続とは

Bluetooth5.0で音声機器と接続する場合、プロファイルという通信規格に従って接続するようなのだが、AS801ではA2DP, AVRCP, HSP, HFPのプロファイルに対応している。

  • AVRCPは、Audio/Video Remote Control Profileの略で、テレビやオーディオ機器を制御するプロファイル
  • HSP/HFPは、Headset Profile/Hands-Free Profileの略で、音声データをやり取りするためのプロファイル
  • A2DPは、Advanced Audio Distribution Profileの略で、ステレオ音声データを高品質にストリーミング配信するためプロファイル

A2DPで音声データを配信する際は、音声データを圧縮して送信することになるようで、その際使われる圧縮方式がコーディックと呼ばれる。

コーディックにはメーカー独自規格など色々あるが、AS801で対応をうたっているAPTXもコーディックの一つだ。

主なコーディックをあげると、

  • SBC:A2DP標準対応のコーディック。220ms前後の遅延があり、音質はいまいちといわれている。
  • AAC:MacやiPhoneで標準サポートしているコーディック。120ms前後の遅延があり、SBCよりも高音質らしい。
  • APTX:Windows10やAndroid8以降で標準サポートしているコーディック。70ms前後の遅延があり、高音質との事。

コーディックの違いをまとめると以下のようになる。

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AS801では、SBCとAPTXに対応しているという事になる。ちなみに、兄弟機のAEROPEXはSBCのみ。

なので、MacやiPhoneに接続すると、遅延が大きく音もいまいちな、SBCでしか接続できない。

AndroidやWindowsであれば、APTXで接続可能という事になる。

AACやAPTXに対応するには、ライセンス料が発生するらしく、安物Bluetoothイヤホンでは、SBCにしか対応していないというのはよくあるそうだ。

AS801-ABT01は26,000円以上もするのに、APTXにしか対応していないというのは、残念ポイントだ。

兄弟機のAEROPEXに至っては、2万円位するのに安物Bluetoothイヤホンと同じSBCのみ対応とかなりの残念仕様だ。

付属トランスミッターABT01

Bluetoothに対応した機器との接続であれば、このトランスミッターは必要ない。

このトランスミッターは、Bluetoothに対応してない機器を、APTXで接続できるようにするための機材だ。なので、パッケージにも「テレビ用」などと記載されているのだと思う。

複数の入力方式に対応していて、USBでPCやPS4、Switchなどとの接続。光デジタル端子での接続。3.5㎜AUXでの接続。RACオーディオ接続などが可能。

それぞれケーブルも付属している。光デジタルやオーディオケーブルで接続する際は、USBからの電源供給が必要。PCとつなぐ場合は、USBケーブルだけでOKだ。

僕の場合、PCにBluetoothが付いていいないので、このトランスミッターを使ってPCと接続して使っている。
初期設定状態で、トランスミッターとヘッドセットがペアリングされているので、それぞれ電源を入れると勝手につながるようになる。

トランスミッター側では、もう一台接続可能なようで、同時に2つのヘッドセットをつなぐことが出来るようだ。

ヘッドセット側では、2つの接続先を切り替えて使えるようになるらしい。僕はPCでしか使ってないので、切り替えは試してない。

接続遅延

トランスミッターの問題なのか、接続時必ず遅延が発生する。具体的には音の発生から2~3秒しないと音が聞こえてこない。

例えば、YouTubeの動画を再生すると初めの2~3秒は音が聞こえない。続けて次の動画を再生すると、やはり初めの2~3秒は音が聞こえないという現象が起きている。

再生アプリを切り替えたときも同様、初めの2~3秒は音が聞こえない。割と鬱陶しい。

マイク側も同様で、録音開始から2~3秒は音を拾ってくれない。プッシュトゥートークにしていると、まったく会話にならない状態だ。

APEXで使ってみる

APEXで足音がちゃんと聞こえるか試してみたが、これはちゃんと聞こえる。音質を気にしないのであれば、問題ないと感じた。

ただ、銃声が近くで鳴っていると振動が凄くって耳がくすぐったいw

まとめ

音質的には安物イヤホンの方が良い位。どうしても骨伝導イヤホンが良い。外音を自然に聞き取れるようにしたいなど、特殊な要望がない限りお勧めできない。

値段を考えても、あえてこれじゃなくていいと思う。

また、iPhoneで使う事を考えている人は、遅延が大きく、低音質なSBCにしか対応してないので注意が必要。これはAEROPEXも同様。

僕はヘッドホンだと耳の外側が痛くなる。イヤホンだと耳の中が痛くなる。という事で耳にひっかけるタイプのこいつを選んだが、結局これもひっかけている部分が痛いという悲しい結果だった。

ただ、耳を塞がず、外音が普通に聞こえてるので、家での使用中にチャイムが鳴ったり、家族に呼ばれたりした時などちゃんと聞こえているのは良いなと思った。逆に言えばそれ以外に利点がない・・・