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RG503 レビュー

今回はRG503のレビューを書いていこうと思う。初期設定については、前回の記事参照。

発売前のレビューとか見ていると、酷評されてたりするけど、実際手にした感じは、いう程悪くないという印象だ。

スペック概要:

まずは、スペックの確認。

  • CPU:RockChip RK3566,Cortex-A55 4x,2.0 GHz, Quad Core
  • GPU: Mali-G52 2EE,850 MHz
  • RAM: 1 GB DDR4
  • スクリーン: 4.95インチ 960x544 OLED
  • ストレージ: デュアル MicroSD
  • バッテリー: 3500 mAh
  • 重さ:244g
  • 通信:2.4/5G WIFI Bluetooth 4.2
  • スピーカー:ステレオスピーカー

RG351系とは異なるCPU、RK3566が搭載されている。先にリリースされたRG552よりは性能が劣るらしいので、RG351とRG552の中間程度の性能となる。

液晶はOLEDという事で、コントラストがはっきりした表示が期待できる。画面比は16:9。

WIFI/Bluethoothに対応しているが、技適は取得してない模様。技適ちゃんと取ってほしいなぁ~。

付属品:

付属品は、説明書(英語・中国語)、液晶保護ガラスと液晶クリーナー、USB(A-C)ケーブル。保護フィルム付きはうれしい。

大きさ:

5インチ、16:9の液晶という事で、僕の所有する他の5インチ、16:9の機体と比較してみた。

上:RGB10MAX2、中:RG503、下:PS VITA

ほぼ、同等程度のサイズだね。重さの違いは、SDカード・保護フィルム付の実測で

  • RGB10 Max2 232g
  • RG503 244g
  • VITA 229g

となった。

因みに、RGB10 Max専用ケースにピッタリ収まった。専用ケース買おうかと思ってたけど、買わないで良いかなw

RGB10 Maxの専用ケースに収めたところ。ピッタリw

ビルドクオリティ:

Anbernicと言えば、中華エミュ機としては機体の出来が良いという印象がある。RG503はどうか。僕の持っているAnbernic製の機体で比較してみた。

ビルドクオリティの良い順に並べると、

RG351P>RG351V>RG503 という感じ。

RG351Pは一番作りが良く、中華エミュ機とは思えない位「製品」と言えるレベルの出来だと感じる。

RG351VはRG351Pと比べると、本体に多少の隙間があり、ちょっとだけクオリティが落ちる印象がある。

RG503はと言うと、全面と背面のつなぎ部分に少し隙間があり、かつ、バリがある。手に持った時にちょっと引っ掛かる感じがする。

つなぎ目部分。隙間があるのと、バリがあって手に引っ掛かる感じがする。

他のレビュワーにも指摘されているが、液晶部分にも隙間がある。

液晶と本体の間に多少隙間がある

液晶部分の隙間は、付属の保護フィルムを張ってしまえば見えなくなるので、まあ良いかと言った程度ではある。

また、プラスチックの質感も安っぽい。材質が違うのか、薄いのか、一昔前の食玩感があると思ってしまった。

とはいえ、中華エミュ機と考えると悪くない。PowkiddyのRGB10 Max1/2と同等か、ちょっと良いくらいのクオリティだと感じた。

操作性:

Anbernic製品は、操作キーの操作性も比較的良いという印象だ。これも他のAnbernic製品と比較すると

RG351V=>RG351P>>>RG503 といった印象。

正直、RG503の十字キーはダメダメレベルだ。

大きさや形は、RG351PやRG351Vと同じなんだが、RG503の十字キーは押し心地が、フニャフニャ。また、十字キー自体に遊びがあり、前後左右に少し、がたつきがある。さらに、僕の機体は下キーを押すと軋むような音がする。

試しに、ストリートファイターZero3をやってみたのだが、昇竜コマンドが全然入らない!RGB10 Max2の十字キーより酷い。十字キーはRG351Vが一番良かったかな~。

僕の感覚だけど、PS4のDualShock4の十字キーの操作性を10としたら、RG351Vが8、RG351Pが8~7、RGB10 Max2が7、RG503は5くらいのイメージだ。7が最低ラインかな~

一方で、筐体が大きくなった為、握りが良いので下側についているアナログスティックも無理なく使える。何なら、アナログスティックを使った方が、昇竜コマンドを入れ易いまであった。

ABXYボタンは、今まで通り可もなく不可もなく。海外レビュワーが指摘していた、ボタンがすれる現象は起きていない。

横並びの配置が気になっていたL2R2ボタンだが、高さが段違いになっているためか、思ったより使いやすいと感じた。

【十字キーについて追記】

十字キーについては、問題ないという話を複数お聞きしたので、おそらく僕の個体が外れ個体なんだと思います。

という事で、分解して十字キーを取り出したところ、プラモデルでいうランナーの取り残しみたいなでっぱりがあり、どうやらこれが引っ掛かって操作性を悪くしてた模様。

十字キー全体のバリをやすりで綺麗に削って滑らかにしたのち、本体に戻したところ、RG351Vと同等程度の操作性に向上した。

しっかりしてくださいよ~。Anbernicさん。こういうところだぞっ!w

画質:

OLEDという事で、すげー綺麗に見えるんじゃない?!と期待したのだが、劇的に違うという程ではなかった。同サイズのRGB10 Max2と比べても、特段綺麗と感じるほどではない。ただ、色味的には黒が締まった感じになり、コントラストがはっきり表現されている印象ではある。

音:

ステレオスピーカーが付いている為か、やたらと大きな音に感じる。

音質の良し悪しは僕にはわからないが、今まで使っていた機種(RG351V/RGB10 Max2)が1スピーカーだったので、すごく良い音になった気がするw

FirmWare:

StockFWは、海外レビュワーのレビューを見る限り、よほどひどい出来なのかと思ったが、まあ取りあえず使っていけるくらいの出来ではある。

気になった点を挙げると

  • 筐体下部のFキーを使わないと、エミュレーターの操作ができないのが不便
  • Emulation Stationのテーマやベゼルテーマが落とせない
  • ROMをたくさん入れると、起動が超遅い(僕の環境では、40秒位)
  • スリープモードから復帰するとフリーズする事がある
  • サターンは起動するけど、なんもできない(Fキーが機能しない)

今んとこはこんな感じかな。使っていたら他にも出るかも。今後アップデートに期待したいし、AmberELECやArcOSの対応にも期待したい。

ただ、Discordを見ていると、ソースが開示されてないのでCFWの開発に着手すらできないとか、開発着手しても6か月程度かかりそう、とか言う書き込みがあるので、CFWのリリースには少し時間がかかるかもしれない。

パフォーマンス:

RG503には、RG351やRGB10 Max2に搭載されているRK3326よりも高性能だと言われている、RK3566が搭載されている。どれくらい性能アップしたのか?実際にゲームを起動して比較してみた。

まず、PSPのグラディウスポータブルでグラディウス3を、RG503とRGB10 Max2で比較した。

RGB10 Max2では、FPSが30前後で、カクカク&音割れで正直ゲームにならない。一方RG503では、FPSが55前後となり、音割れもほぼない。ちょっと重いけど遊べなくもない程度になっていた。

次に、PSPのパロディウスポータブルの実況おしゃべりパロディウス。

RGB10 Max2では、序盤はほぼ60FPSだが、中盤以降オブジェクト数が増えると、一時的に40~50後半に落ちることがある。RG503では、終始60FPS固定状態だった。

ドリームキャストのダイナマイトデカ2も試してみた。

RGB10 Max2だと平均45FPS前後で、スローモーションでプレイしている感じ。

RG503だと、平均55FPS前後でまあまあ遊べる感じだった。

この結果から、RK3326の機体でちょっと重い程度のゲームなら、快適に遊べるが、RK3326でそもそもキツイゲームは、快適に遊べるところまでには至らない。といった感じだろうか。まあ、同等と考えた方が良いかもね。

もう一つ、N64のゼルダの伝説時のオカリナを試したのだが、RGB10 Max2ではオープニング時に57FPS前後出ていたのだが、RG503では48FPS程度だった。RG503の方が遅いという結果に。これはFirmWareやエミュの最適化の問題の気がする。

となると、FirmWareやエミュの最適化が進めば全体的にもう少しパフォーマンスアップが期待できるという事かもしれない。

まとめ:

RG503は買いか?

僕はアリだと思う。PS1位までのゲームが快適に動かせて、かつ、5インチの大きめの画面が良いという人なら、RGB10 Max2かRG503の2択だろう。

公式サイトの価格を見ると、RGB10 Max2が$155(今はセールで$115)、RG503が$150と同価格帯。

RGB10 Max2は、CFWも豊富だし安定して遊ぶには良いと思う。

RG503はちょっとだけ性能上だが、現時点ではCFWが無いので安定性もいまいちだし、エミュの最適化も不十分だと感じる、でも、今後進化する可能性はある。

どちらが良いかは、もはや好みだね。

逆にPSP以上を求めるなら、お勧めしない。同価格帯でPSPをメインに遊ぶ機体を探しているなら、中古VITAを探す方が良い。VITAの方が圧倒的にビルドクオリティも操作性も良いし、PSPのゲームの再現性も高い。

昨今、携帯エミュ機の高性能化・高価格が進んでいるのだが、個人的には性能維持で良いので、クオリティや操作性重視でありつつ、安価な機体が出てほしいと思う。

RG503は十字キーが残念ではあるが、製品コンセプトは僕の好み。おそらく今後はRG503が僕のメイン携帯エミュ機になりそうな気がする。

 

ANBERNIC RG503 ポータブルゲーム機 RK3566jp.anbernic.com