今回はRG353PSのレビュー。Anbernic社からのサンプル品でレビューをします。
RG353PSは5/6 19:00からAnbernic公式サイトで販売開始。
販売開始後2日間は1,100円オフの¥11,599で購入可能となっている。
既視感のある機体:
新製品とは言うものの、RG353PSは以前発売されたRG353Pと見た目はほぼ同じでカラーバリエーションが違うくらい。
僕も初めは「何が違うの?」「なんでリリースし直したの?」と思ったが実際手に取ってみると、これはこれでアリだなと感じた。何より安いのが良い。
まずは、RG353PSのスペックを確認しつつ、RG353Pとの違いも確認しよう。
スペック概要:
以下公式サイトのスペック表。
RG353PSは1年位前にリリースされたRG353Pとほぼ同等スペックという事で、最近のエミュ機としてはロースペックな印象。
RG353Pとのスペック的な違いは
- LinuxのみのシングルOS(RG353PはAndroid/LinuxのデュアルOS)
- タッチスクリーンなし
- メモリー1GB(RG353Pは2GB)
これだけ。
要は「Androidは起動できなくなりました。」という事だ。
RG353Pに搭載されているSoC RK3566のAntutuベンチマークスコアは10万程度なのでAndroid機としては性能不足感がある。Androidを捨ててLinuxのみとしたのは良い判断だと思う。僕はRG353Pと同等性能で、AndroidとLinuxの両方を起動できるRG353Vを持っているが、Androidを起動することはほぼなかった。
Android機ではなくなったので、タッチスクリーンがなくなるのは当然として、メモリー容量が2GBから1GBに減ったことは気になる人もいるかもしれない。
ただ、エミュ性能的な差は無いと思われる。RG353Pが2GBのメモリーを搭載していたのはAndroidを起動する為だろう。
エミュレーターを動かすのに必要なメモリー容量はと言うと、
エミュレーター | 最低メモリー | 推奨メモリー |
SFF(Sega Satrun) | 256MB | 512MB |
ePSXe(Playstation) | 256MB | 512MB |
Redream(DreamCast) | ー | 512MB |
PPSSPP(PSP) | 512MB | 2GB |
Dolphin(Game Cube/Wii) | 1GB | 2GB |
大体こんな感じ。
RK3566のスペックではPSPの重いゲームはそもそも快適には動かないし、GameCubeも無理と考えると1GBのメモリー容量は十分だと言える。
付属品は必要十分:
付属はいつものAnbernic製品という内容になっている。ピッタリサイズのスクリーンプロテクターが付属しているのは好印象。
付属する説明書は中国語と英語。基本的な操作説明はこれを見れば大体わかるかな?!
エミュレーター性能は控えめ:
前述の通り機体性能はあまり高くないので、エミュレーター性能もそれほど高くは無い。
動かせるエミュを上げると、PS1、N64位までは問題なく遊べる。
GameCube・PS2はStockFWではそもそも導入されていない。入っていたとしても快適には動かないだろう。
Dreamcast・SEGA Saturnあたりはゲームによっては動くという感じだが、パワー不足感は否めない。
PSPの場合、それなりに動くゲームも多いが、GOWの様な重いゲームはフレームレートが半分程度しか出ないので、負荷の高いゲームは快適には遊べない。
スクリーンが3.5インチの640X480になっていることからも、古めのレトロゲームを遊ぶのに特化した機体だと思った方が良いだろう。
PS1・N64位までをターゲットにするなら十分な性能と言っても良い。
操作性は悪くない:
エミュ機ではイマイチなことが多い「操作性」だが、結論から言うと悪くない。
最近はRG405Mを良く使っているのだが、RG405Mより少し幅が長く厚みもある、RG353PSの方がホールド感が良いと感じた。
ついでに似た形状のゲームパッド8BitDo SN30 Proとも比較。
SN30 Proより2回り位大きいが、RG353PSの方が握り心地は良かった。最近はSteamDeckの様に大きめのハンドヘルド機を使う機会が多いので、慣れの問題なのかもしれないw
キー配列も良くて、十字キーが上側ってのは当然好みの訳だが、L2R2が縦に並んでいるのも良い。Anbernic製品だとRG353P/PSとWin600位じゃない?この並びは。
そして地味に良いのが、アナログスティックが内側寄りの配置になっている事。
エミュ機では、十字キーとABXYボタンに対してほぼ真上・真下に配置されることが多いアナログスティックだが、ちょっと内側斜めに配置してくれるだけで、操作中に他のキーと干渉難く、かつ、操作しやすい位置になる。この小さな差がゲームプレイ時の気持ちよさにもつながってくると感じる。
十字キーの操作性はいまひとつ:
好印象なグリップ感・キー配列で操作性は悪くないと思うわけだが、気になる点もある。それは十字キーの操作性。
Anbernic製品の十字キーは斜め方向が入りやすいという共通の問題を抱えている。この対処として、僕は基盤をちょっと盛って修正するという方法で対処している。
今回も分解して調整する事を想定していたのだが、RG353PSについては手を加えずこのまま使うことにした。
というのも、今までの機体よりだいぶ「まし」だと感じたからだ。恐らく個体差なのだとは思うが、誤爆の頻度が過去の機体と比べると格段に低い。
そりゃ~一般的なゲームパッドと比べたら、酷い入力精度だとは思うが、RG353PSについては、まあこのまま使おうかな~という程度ではあった。
良くは無いけど、悪くは無いと言った印象だ。
入力遅延は小さい:
GBAの星のカービィのミニゲーム「刹那の見斬り」を使って入力遅延の度合いを検証してみた。実機だと10フレーム程度で反応できるので、10フレームに近いほど入力遅延が少ない(実機並み)と言って良いだろう。
結果は11フレーム。RG353PSの入力遅延は小さいと言える。
最近はAndroid機でもそんなに大きな入力遅延は感じなくなってきているが、やっぱりLinux機の方が入力遅延は小さいという事なのかな?!
入力遅延が小さいAndroid機だと12フレーム位なので、ほぼ差は無いと思うのだが、ゲームをしているとLinux機のRG353PSの方が操作が軽く感じたりもする。
また、上記の結果は、製品に付属してるStockFWでの検証結果なのだが、RG353Pでは既にCFWが存在しており、RG353PSでこれが使えそうなので、CFWを導入して入力遅延を検証してみた。
イヤイヤイヤイヤ。
CFWの方が入力遅延が大きいって!どういう事??
体感では、ArkOS>JELOS>StockFWの順で入力遅延が大きい。
う~~~ん、CFWを入れて使う気満々だったんだけど、暫くはStockFWで遊ぼうかな・・・
CFWはある:
RG353PSはRG353Pとほぼ同じハード構成なので、RG353PのCFWがそのまま使える。
僕が試したCFWは以下の二つ。
このどちらかが安定だと思う。
とはいえ、前述の通りCFWでは何故か入力遅延が大きくなるという謎現象が起きたので、もしかしたら最適化不足なのかもしれない。
StockFWを使ってみた感じそんなに悪くはなさそうなので、様子を見ながら使い分けしようと思っている。
まとめ:
質感も良く操作性もまあまあ、価格に対する性能も妥当。
通常価格¥12,699。セール価格で¥11,599と言うのは、コストパフォーマンスの高い機体だと思う。
同等性能の機体の価格(現在のセール価格)を見ると
- RG503:¥14,799
- RG353V:¥17,299
- RG353VS:13,999
- RG353P:¥18,399
- RG353PS:¥11,599
と、本機RG353PSが一番安い価格に設定されているが、満足度は同等以上の機体だと感じた。
興味ある人はセール中がねらい目だと思うよ!
NEW ANBERNIC RG353PSjp.anbernic.com
この形状を活かし、モニターに接続しゲームパッドの如く使ってみるのも面白いかもw